猫と旅する?南フランスまで!驚きとワクワクする気持ちでページをめくる。
フランスで修業した料理家の著者は、愛猫とともに南仏旅行を計画する。日本ではほとんどの航空会社でペットは貨物扱いなので、「猫と一緒に飛行機旅をする」のは難しいと考える。それが日本の常識である。しかし、ヨーロッパでは客室で一緒に過ごすのはごく当たり前。カフェやレストラン、ホテルでもペットと一緒に過ごすのがスタンダード。初めての長距離で猫にストレスがかからない旅のプランニングが紹介されている。
猫を国外に連れて行くために必要な猫旅の準備として、航空会社の選び方、航空券の予約の仕方、渡航に立ちはだかる動物検疫では、マイクロチップの埋め込み、狂犬病の予防接種など、準備の流れを時系列で紹介している。様々な準備を経て出発に至るまで、3カ月くらい見ておくほうが良いようだ。長期滞在の際に役立つ現地のペットフード事情も紹介されている。ペット先進国のフランスはペットフードの種類が豊富にある。一般的に肉が多く、魚は肉に比べると少なめで、安全基準は厳しく設定されていて、オーガニック標記のものが目につくという。グルメシリーズもある。もちろんムースやテリーヌがあり、キャットフードにもお国柄が出るのだと驚いた。そして、ペットフードは小さなお店でも購入できるため、心配不要のようだ。
動物がいると旅行は難しい。そんな不安を一掃させてくれる一冊である。
『南フランス 猫と旅する美しい村』
作成者
平野由希子著
出版者
株式会社産業編集センター
刊年
2025.2