奈良県において、明治保存修理開始以来の修理時作成図面、撮影写真、精算書等の文書記録が保管されているが、昨年、奈良県文化財保存事務所より明治30年代から昭和40年代のガラス乾板等の撮影写真が移管された。
その内容は、明治30年代に修理が行われた新薬師寺本堂・法起寺三重塔からはじまり、大正期の法隆寺や昭和40年代の東大寺諸建物修理まで範囲は広く、特に明治から昭和初期の修理工事報告書未刊行時期の写真は貴重であり、奈良県下における保存修理の状態を知る上でも貴重な資料となっている。