スイーツ歳時記&お菓子の記念日

作成者
吉田 菊次郎 著
出版者
松柏社
刊年
2021.9

 バレンタインにはチョコレート、ひな祭りにはひなあられ、こどもの日には柏餅やちまき、クリスマスにはクリスマスケーキなど、季節の行事やイベントにはお菓子が不可欠です。この本は、そういった日本と世界における文化としてのスイーツやお菓子を、月や季節ごとに歳時記形式で紹介しています。1月では、新年を祝う日本の和菓子の「花びら餅」や、フランスで公現節(主顕節ともいう)に食べられるガレット・デ・ロワ(王様のガレット)などが語られています。ガレット・デ・ロワは、香ばしいアーモンドクリームを通称パイ生地と称されているフイユタージュに包んで焼き上げるもので、その中にはフェーヴと呼ばれる陶製の人形が忍ばされています。皆で切り分けて食べる時、それに当たった人はその場で男性なら王様、女性なら女王様になって紙製の王冠を戴き、周りの人々から祝福を受けるといいます。
 また、日本のお菓子の記念日や製菓材料の記念日まで、あらゆるお菓子に関する記念日も網羅し解説しています。ちなみに1月15日はいちごの日。また、毎月15日はお菓子の日と、もなかの日なのだそうです。また、カレンダーでちょうど15日の下にある毎月22日はショートケーキの日となっています。理由を知りたい人はぜひこの本をご覧ください。こんなに多くの記念日があったのかと驚かされてしまいます。それ以外にも、日本のお菓子の神様や、ヨーロッパ諸国における製菓関連の守護聖人とその祝日まで書かれており、お菓子についての愛情と雑学がたくさんつまった一冊となっています。ぜひ、本書を読んで、スイーツやお菓子の歴史や奥深さを感じていただければと思います。