『いつの間に?!ココまで変わった学校の教科書』

作成者
コンデックス情報研究所 編著
出版者
成美堂出版
刊年
2019.8

 子どもの頃に教科書で習った内容は、もちろんすべてではないですが、いくつになってもなんとなく覚えていて、ずっと正しいものだと思いがちではないでしょうか。しかし実際のところ、教科書の内容は、時代によってかなり変わっています。例えば、語呂合わせで覚えた「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」や太陽系の惑星の覚え方「水金地火木土天海冥」。今の教科書では、鎌倉幕府の成立は1185年ですし、冥王星は惑星ではなく太陽系外縁天体とされ、現在の太陽系の惑星は8個なのだといいます。
今の子ども達はどんな教科書を使っているのか、私たちの時代とは何が違うのかを知ることができるのが、この本です。各教科に分けて、時代の流れや学術研究の進歩、また子ども達に求められる社会常識の変化に合わせて変わったもの、新しく加わったもの、以前から変わっていないものなどが簡潔に記されています。
 新しいものとしては、プログラミング教育やメディアリテラシー、データの活用、小学校での英語の科目化などが挙げられています。変わらないものとしては、『おおきなかぶ』や『ごんぎつね』などは今も国語教科書の定番作品ですし、唱歌の「ふるさと」は第二次世界大戦下から終戦直後にかけての一時期を除いて100年余りの間、ずっと小学校6年生の教科書に掲載されているそうです。
 いつまでも古い知識のままでは、時代に取り残されてしまうかもしれません。さくらんぼ計算、箱ひげ図、シャトルランなど知らなかった用語も多く、もう一度学び直したくなりました。子どもや孫、違った世代との会話の一助にもなる一冊です。