『英語でガイド!外国人がいちばん知りたい和食のお作法』

作成者
上田敏子著
出版者
Jリサーチ出版
刊年
2018.4

 カウンターで時々「日本の文化を英語で紹介する本はありますか」というお問い合わせを受けることがあります。当館2階の国際交流コーナーには外国語の本の他に、日本文化の紹介を外国語との対訳で載せている本なども置いています。本書はそんな中の一冊で、日本人が外国の方に、和食について英語でガイドするための本です。基本の箸使いから寿司、鍋、麺類、そして居酒屋、料亭まで幅広いシーンでの和食の基礎知識やマナーが紹介されているのですが、中には外国の方に説明する立場であるにも関わらず、知らないマナーが載っていることもあります。
 普段マナーなどを気にせず、何気なく食べているメニューについて章立てされており、天ぷらのお作法という章では“天ぷらは、出来るだけ早く食べるのがマナーです”“盛り合わせは手前から食べ始めましょう”などと解説されています。また、“天丼を食べる時は、手でどんぶりを持ち上げますが、重すぎたり熱すぎたりして持ち上げられない時は、テーブルに置いてもかまいません”というようにマナーとして意識することがほとんど無いようなことまで書かれています。
 別の章では、お箸の使い方はもちろん、お椀や鉢などの器は種類によって違う使い方をするといったことも、紹介されています。私たちはどの器を持って、どの器を持たないかは感覚的に使い分けているかと思いますが、器を持つという文化がない国の方には、そうした説明も必要なようです。
 外国の方に伝える事を通して、日本文化と外国文化をより深く知ることができ、英語学習用としてだけでなく、読み物としても楽める一冊です。