『「富士見」の謎 - 一番遠くから富士山が見えるのはどこか?』

作成者
田代博著
出版者
祥伝社
刊年
2011.6

  現在、当館の2階情報資料スペースでは、富士山の世界文化遺産登録を記念して、世界遺産関連の図書展示を開催中です。今回は、その展示資料の中から一冊ご紹介します。
  「富士山が見える日本一遠い地点はどこか?」皆さんはこの問いに答えることができますか? 本書はこの問いを徹底的に追い求めた一冊です。 著者はテレビやラジオにたびたび出演しており、富士山や山岳展望に関する著書も多数出版しているので、ご存知の方も多いかもしれません。 本書によると、富士山を眺めることができるポイントは全国20都府県に存在します。実は、当館の立地する奈良県にも富士山のビューポイントがありました。 三重県との境の高見山地・台高山脈、そして大峰山脈にダイヤモンド富士の見える地点があるそうです。ダイヤモンド富士とは、富士山の頂きに太陽が重なる現象です。 まるでダイヤモンドのように輝くことからこの名前がつけられました。大台ヶ原山や高見山、大峰山脈では、過去にダイヤモンド富士が撮影されています。 また、奈良盆地の東、室生火山群に属する額井岳からも297km先に富士山の頭を覗くことができるそうです。奈良から富士山を遠望できることを知ると、富士山がより身近に思えてきます。 最初の問いはぜひ本書を読んでお確かめください。
  世界遺産の図書展示は9月29日(日)までです。今回ご紹介した本をはじめ、観光ガイドブックや写真集、葛飾北斎の『富嶽三十六景』の大型本のほか、 『東海道名所図会』や『江戸名所図会』などの和古書まで、多数取りそろえています。ぜひご覧いただき、さまざまな富士山の姿をお楽しみください。