『サイエンス・クエスト科学の冒険:宇宙の生命、死の意味、数の世界』

作成者
アイリック・ニュート著 枇谷玲子訳
出版者
NHK出版
刊年
2012.4

  多くの人が、幼いころに1度は疑問に思ったけれど、大人になった今では子どもには質問されたくなく、また質問されても回答に困るとういう類の疑 問というものがあると思います。その代表的なものが「宇宙人は存在するの?」「なぜ死ぬの?」「算数や数学の勉強は生活の中で役にたつの?」では ないでしょうか。これらの質問に根拠を示しながら科学的に、そして質問に対して真摯に向き合いながら回答してくれているのが本著です。
  第一部「宇宙の生命」の章では、宇宙生物学研究の現状、今後の可能性や方向性について述べられています。
  まだまだ解明されていないことのほうが多いけれど、専門家たちは日々研究を続けているのだということを訴え、答えがはっきりしなかったり、いろ いろな意見に分かれていたりすることは研究がはじまったばかりの分野の学問ではよくあることで、悪いことではないと著者は述べています。そして子 どもたちに将来ぜひ一緒に研究し、謎を解き明かしていこうではないかと語りかけます。
  本著はノルウェーで子ども向けの科学入門書として出版された資料の翻訳本だということですが、大人にも十分に読みごたえがあり、楽しめる一冊です。