『あたらしい音楽のデザイン』

出版者
ビー・エヌ・エヌ
刊年
2025.11

 音楽サブスクリプションに加入して以降、CDを手にする機会がめっきり減った。いや、手にするどころか、CDショップやレンタルCDショップに足を運ぶこともなくなって、目にすることすら少なくなってしまった。CDは発売され続けているけれど、グッズ的な側面が強くなっているように思う。
 主に令和以降に発表された楽曲のCD・LPジャケットのアートワークやパッケージデザイン、グッズ、公演ポスターやフライヤー、ミュージックビデオのタイトルワークなど「音楽のデザイン」を400点以上収めた本書。読み始めて、そもそも販売でもレンタルでもCDは密閉されていることが大半で、メインのジャケット以外の情報、歌詞カードや盤面のデザインを目にすることはこれまでもほとんどなかったと気が付いた。グッズの情報も、フォローしているアーティストのものでなければなかなか目にする機会もない。アーティストや楽曲の世界観を視覚的に伝えるためのデザインがあまりにも多彩であることを目の当たりにし、その表現の種になった音楽たちの途方もない多彩さにくらくらした。
 どの音楽デザインも魅力的だが、CD、レコードの形式の美しさにやはり惹かれる。ジャケットの正方形、ディスクの円形のように、型があり、ある種の制約が伴うからこそ生まれる面白さがある点は、本の装丁や俳句、短歌に似ているかもしれない。気になるデザインの音楽を再生して、新たな出会いを楽しみたい。