※最終日25日は17時終了。昭和8年に発行された『大和の伝説』(民俗学者・高田十郎編、大和史跡研究会発行、昭和34年増補版発行、当館所蔵)から選んだ妖怪にちなむお話10編をもとに、紙芝居作家なかたにゆかとライター小我野明子がイラストと文を書き下ろし、図書情報館職員がデザイン&造作をしたポップアップ絵本を展示します。
画:なかたにゆか<紙芝居作家>
文:小我野明子<ライター>
デザイン&造作:奈良県立図書情報館


1.企画展示「やまとの妖怪」(奈良県童話連盟監修、高田十郎編、大和史蹟研究会、昭和34年発行)の参考図書『大和の伝説(増補版)』について
大和童話連盟が昭和5年に企画、昭和8年に発行した伝説集。大和一円の伝説を広く募集し、集まった550通を編者の高田十郎らが精査。「こうしてできた記事は、いやしくも伝説である以上、その種類ないし価値の如何などは、一切問わないで、すべて、報告者の名をつけて載せ、これに、高田の手元から約120則を加えて、合計520則、これを454号にまとめることとした」(『大和の伝説(増補版)』「緒言」より)。序文は民俗学者・柳田國男。
2.『大和の伝説』編者・民俗学者 高田十郎について
「旧赤穂郡矢野村小河(現相生市)生まれ。赤穂郡で代用教員を勤めたのち、1902年早稲田大学に進学。04年、婚姻により高田家の養子になり、07年奈良師範学校に奉職、奈良県人となった」。
「高田十郎が活躍したのは、ほとんど奈良に移ってからである。柳田國男と知り合ったのもその頃で、研究を通じてのことだったようである」
(『相生市の生んだ民俗学者高田十郎』平井漠/著 平成15年発行)より
3.企画展示「やまとの妖怪」作者プロフィール
画:なかたにゆか
1996-2000年 奈良教育大学で美術教育を学び、絵本・紙芝居を作り始める。箕面手づくり紙芝居コンクールでグランプリを受賞(以後、同コンクールにおいて、受賞歴多数)。学外での活動が評価され、学長賞を受賞。 2001年 幼稚園に勤務。子ども向けの紙芝居づくりに取り組む。 2002年 福祉施設に勤務。障がいのある方たちとのアート活動に携わる。
2008年 奈良市と協働で奈良市の民話紙芝居3作品を制作。
現在 学生のころから続けているオリジナルのストーリー&絵画による作品づくりと、紙芝居の読み語り活動を継続して取り組んでいる。
文:小我野明子(こがのあきこ)
出版社勤務ののち、フリーランスの編集&ライターとして活動。「マンスリーよしもと」「MBSドクホン」などで編集、「SAVVY」「Hanako」などの雑誌で執筆を手がける。著書に「はじめまして奈良」「ロシア 暮らしの中のかわいい民芸」(共にパイ・インターナショナル刊)など。落語CDやDVDの解説、字幕の編集を手がけ、鳥取・境港の水木しげるロードには取材で5回以上訪れるなど、落語と妖怪に不思議なご縁がある。



