今から半世紀前、日本で大ブームを巻き起こした「人形絵本」が、奈良県田原本町在住の人形作家Yoko-Bon(ヨウコボン)の手で『人形絵本まんまるパン』として復活しました。本展では、絵本に使われた全ジオラマ&人形+新作公開のほか、1冊の絵本ができるまでの軌跡をパネルで紹介。古き良き人形絵本をよみがえらせたYoko-Bonの創造性とユニークな世界観に迫ります。
《人形絵本「まんまるパン」(ロシア民話)》
絵本とは、絵画が主体となってストーリーを伝える本。
「人形絵本」は、絵画の代わりに、ハンドメイドされた人形と背景のジオラマを撮影した写真を使っておはなしを伝える、いわば「実写絵本」です。
今から約50年前の1952(昭和27)年、作家の飯沢匡と画家の土方重巳によって世に出されました。
ちなみに、日本最初のカラーフィルムが小西六写真工業(現・コニカ)から発売されたのは1940(昭和15)年。日本にテレビ局が開局したのは1953(昭和28)年。
当時、市井の人々にとって、カラー写真や動く映像は未だ「めずらしいもの」だったことでしょう。人形絵本は日本で一大ブームを巻き起こし、外国語版が制作されると、世界36カ国に輸出されたのでした。
また、1954年に出版された「トッパンの人形絵本」(64年までに40点が出版)の『三匹のこぶた』からは、NHKのテレビ人形劇『ブーフーウー』(60--67年)がうまれました。
世界を席巻した人形絵本の登場から時は過ぎ。飯沢・土方コンビの仕事を彷彿とさせる、昔ながらの手法を用いて作られたのが『人形絵本 まんまるパン』(ロシア民話)です。
人形絵本まんまるパン
片山ふえ・訳 Yoko-Bon・人形
・2015年6月22日 初版第1刷発行
・B5版ハードカバー 28頁
・定価 1,620円(本体1,500円)
《展示作品》(参考、一部)
《作家紹介》
人形作家 Yoko-Bon(ヨウコボン)
奈良県田原本町在住の人形作家。幼いころからものづくりが好きで、造形工房で木や岩、サンゴなどをリアルに立体表現する仕事につく。
また、恐竜やキャラクター人形などさまざまな造形制作にたずさわるなかで立体造形の基礎を学び、その後、独学で人形を作り始める。2004年に伊豆テディベアミュージアムにて初の個展。2011年には東京で「ファビュラス!バーガドールズ」に出展したほか、コンベンションやイベントなどで数々の人形を発表。現在は古民家に暮らしながら人形製作にいそしむ日々をすごしている。
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