水原秋桜子の「松と紅葉何ぞ障子の浄らなる」という句が、秋櫻子にとってメジャーな句と、言われているそうだが、どこで詠まれた句か、どの句集に出ているのか、知りたい。
「松と紅葉何ぞ障子の浄らなる」という句は、中宮寺で読まれたものと思われます。
『水原秋桜子全句集索引』で見ますと、『帰心』(昭和28)という句集に収録されていることがわかりました。また、『秋桜子俳句と奈良大和路』(石井庄司著 東京美術 1988)には 中宮寺の項にその句が挙げられています。前後の文章は、「戦後になって、句集『帰心』に二句。 松と紅葉何ぞ障子の浄(きよ)らなる 冬菊に厨子くらければひざまずく まだ、元のままのお堂である。南側の障子の明かるく浄らかなことに感嘆しておられる。そして、今回は、冬菊が供えてある。観音さまの前にひざまずいて拝したというのである。」 とあります。
◆出典・参考資料
『水原秋桜子全句集索引』 小野恵美子編 安楽城出版 (911.362-ミスハ)
『秋桜子俳句と奈良大和路』 石井庄司著 東京美術 (911.36-416)