平成9年3月30日
第68号
館長 橋 戸 敏 弘
公共図書館にとって大事なことは、利用者が目的とする図書資料があるということです。図書館の奉仕活動の中心は、資料を提供することとレファレンスの2つに分かれます。資料の提供は、図書館内で利用する閲覧と、館外への貸出の2つがあります。レファレンスは、参考事務といって、利用者からのさまざまな質問を図書館の資料と機能によって、利用者に援助する事務です。質問には、口頭、電話、手紙などの方法があります。それを基にして、必要な資料を利用者に提供します。資料がない場合には、リクエスト・サービスによって、要求された資料を入手し提供することもあります。
さて、今日の社会において、生きていくためには、好むと好まざるにかかわらず、あらゆる生活場面において、絶えず思案したり、判断したり、行動することが求められています。激しく変化する社会に適応していくためには、絶えず必要かつ有用な情報を獲得しつづけなくてはなりません。また、利用者自身の情報へのニーズも、社会生活において、仕事において、家庭生活において、さらには、余暇の利用のためにと多岐にわたっています。さまざまな生活場面でのニーズを満足するために正確な情報が必要になってきました。
県立図書館では、新県立図書館整備基本構想に基づき、本年の2月4日から、インターネットを始めました。インターネットは、21世紀に通用する新しい図書館に向けて、世界中の情報にアクセスできる機能を備えています。もちろん、本図書館もホームページを開設して、世界に向かって情報を発信しています。現段階では、図書館の蔵書の検索(現在、11.7万冊が可能)・生涯学習施設のガイド・奈良県図書館協会の大学・専門図書館部会情報などを発信しています。ちなみに開設後1ケ月間に約18,000のアクセスがありました。利用者のあらゆる情報ニーズに応えるべき図書館として変身しつつあります。
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