『時を貫く記録の保存 : 日本の公文書館と公文書管理法』

作成者
全史料協近畿部会編
出版者
岩田書院
刊年
2011.3

  今回ご紹介する図書は『時を貫く記録の保存 : 日本の公文書館と公文書管理法』です。編者は全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)近畿部会で、岩 田書院のブックレットシリーズの1冊として今年の3月に刊行されました。本書は全史料協近畿部会の研究例会100回を記念して開催された公開シンポジウム「市 民社会の財産としての公文書・地域資料を考える」(2009年7月26日)の記録集で、国立公文書館長就任間もない高山正也氏が基調講演を行い、対談・パネル ディスカッションや近畿部会の活動の歩みの報告が収載されています。奇しくもこの年の6月には国会で公文書管理法(公文書等の管理に関する法律)が成立しまし たので、時宜を得たシンポジウムとなり、文中からも熱気あふれる雰囲気が伝わってきます。
このシンポジウムは全史料協近畿部会が主催したものですが、事務局が図書情報館であったこともあり、個人的にもシンポジウムの準備やブックレットの編集に携 わった者として感慨深い図書でもあります。
昨今、MLA連携ということがよくいわれています。博物館(M)・図書館(L)・アーカイブズ(文書館)(A)のそれぞれが特徴的な機能や共通する機能をよ り意識して結びつきを深めましょうということのようですが、今回ご紹介した図書を手始めとして、時を貫く記録(公文書や記録資料)の保存と活用に積極的に取組 んでいる文書館(アーカイブズ)の世界をのぞいてみてください。