『巨大翼竜は飛べたのか:スケールと行動の動物学』

作成者
佐藤克文著
出版者
平凡社
刊年
2011.1

  生物にデータロガーという記録装置を取り付け、空中や海中での行動を記録測定、解析して生態の研究を行うバイオロギングサイエンス(生物が記録する科学)の分野で されている著者の本です。
  本書では、ペンギンやウミガメなどにデータロガーを取り付け、これまで直接観察できなかった野生ペンギンの潜水行動メカニズムや、ウミガメがエネルギーを節約するため、 あえてゆっくり泳いでいることなどを、調査過程での面白いエピソードをまじえながら説明しています。
  最後の第6章では、著者の研究チームがデータロガーで収集した海鳥の飛翔データ分析等をもとに、本書のタイトルになっている古代の巨大翼竜が飛べたのかどうかについて 検討しています。
  本書は単なる研究成果の紹介だけではなく、データ取得のための苦労話など、調査現場の最前線での話が多く盛り込まれており、著者の研究に対する熱意や楽しさが 伝わってくる1冊です。