『面白くて眠れなくなる元素』

作成者

左巻健男著

出版者

PHPエディターズ・グループ, PHP研究所 (発売)

刊年

2016.7

 中学や高校で習った元素記号と元素の周期表。「すいへーりーべー」と覚たことが懐かしいと思う方や、いま勉強中という方などさまざまいらっしゃると思います。元素はその名前のとおり、ものや生物などを作っている”もと”になるものですから、化学が苦手な方であってもすべての方にとって身近なもの。紹介する本書は、元素を周期表の順にいろんな雑学を交えて解説していますので、ぜひ「へー」「ほー」といいながら楽しんで読んでいただければと思います。
 身近な元素というと、人の体の約60%を占めるという水の元素は水素(元素記号=H)と酸素(O)。このように考えて人の体を作っている元素の主なものをそれぞれ質量割合で上げると、おおよそ酸素65%、炭素(C)18%、水素10%、窒素(N)3%、カルシウム(Ca)1.5%、リン(P)1%。周期表の1番目でもあり人の体の10%を占める水素について本書を見ると、私たちの大腸内には「水素産生菌」というのがいて、体内で水素が多量に作られているということが書かれています。おならの10~20%が水素だそうで、おならを集めて火をつけると燃えるというのはこの水素のせい。おならに出る以外は体内に吸収されて血液循環に乗っているそうです。水素が身近に感じられたところで今度は大気中の水素はと考えると、かなり軽いために地球にとどめておくことができずわずかしかありません。しかし宇宙のはじまりといわれるビッグバンでまず作られた元素は水素とヘリウム。宇宙の約4分の3は水素なのだそうです。
 また日本で発見され、日本が命名した元素「ニホニウム」はまだ記憶に新しいと思います(2016年11月30日、正式に名称決定)。アジア初の発見でもあり素晴らしい快挙の裏には、ロシアとアメリカの合同チームが先に発見と認められるのではというせめぎあいがあったなど、はらはらする話も本書に書かれています。
 ほかに、アルミホイルの表だけに光沢があるのは生成過程に秘密があること、金と密度が同じためにニセの金の延べ棒に使われてしまうというタングステンの話、鉛筆は名前とは違って鉛は使われておらずその名前はミケランジェロがいた時代に鉛とスズの合金を使っていた名残であることなど、「へー」「ほー」な話が現在発見されている元素の数=118個楽しめます。