『歌川国芳 奇想天外 江戸の劇画家 国芳の世界』

作成者
中右瑛, 稲垣進一, 悳俊彦監修
出版者
青幻舎
刊年
2013.5

『歌川国芳 奇想天外 江戸の劇画家 国芳の世界』は、2014年3月の鹿児島市立美術館を皮切りに、全国巡回している展覧会の公式図録です。関西では、2014年10月24日(金)〜11月24日(月)に、美術館「えき」KYOTOで開催が予定されています。
歌川国芳(1797−1861)は幕末の浮世絵師です。幕府の財政が逼迫し世情が不安定だった当時、閉塞した社会状況を打破するようなパワフルな武者絵やユーモラスな戯画を描いて大衆の喝采を浴びたのが国芳でした。それまでの、歌麿、写楽、北斎、広重のような江戸情緒あふれる作品とは一線を画する、浮世絵の常識を覆す破天荒な作品を数々生み出しました。本資料は、監修者3名による国芳論をはじめ、国芳の代表作、傑作をテーマで分類して解説しています。武者絵・合戦図、妖怪退治・幽霊、ユーモア擬人パロディ(猫・狐・狸)など、この一冊で国芳の世界を堪能することができます。中でも、巨大骸骨などの奇想天外な着想の妖怪絵や、力強い『水滸伝』の挿絵、『猫の当字』など擬人パロディに見えるユーモアセンスは現代にも通じる卓越したものがあります。国芳が「江戸の劇画家」と謳われるのも納得です。
幕末の混沌とした時代に活躍した浮世絵師・歌川国芳は、愛猫家でも知られています。『鼠よけの猫』など猫を題材にした絵も多く残し、浮世絵愛好家だけでなく、猫好きにも注目されています。
奇想天外、ユーモアあふれる国芳の世界をぜひご堪能ください。
※本資料は、図書展示「怪・怪・怪−後ろの正面だあれ?!−」(〜8月28日、3Fブリッジ)にて展示中です。通常の貸出を行っていますので、貸出中になっている場合があります。