『橋の形を読み解く 橋の構造や用途を理解するための実用的な入門書』

作成者
エドワード・デニソン、イアン・スチュアート著 桑平幸子訳
出版者
ガイアブックス
刊年
2012.9

  国土交通省によると、日本にある橋(橋長2m以上)は、約70万橋。普段はあまり気に留めることもなく橋を渡っていて、 じっくり橋を観察することも少ないですが、橋の設計や建築は、ここ数十年で驚異的な発展を遂げてきました。本書は、最新設計の片持ち梁橋や吊橋まで、 世界の多種多様な橋を解説しています。
  イングランドのタイン川に架かる「ゲーツヘッド・ミレニアム橋」は、世界初で唯一の傾斜橋として、数々の国際的な建築賞を受賞しています。 船を通すためにアーチ橋の全体が横倒しに回転する、非常にユニークな可動式の橋で、2つの平衡する鉄鋼製アーチで構成されています。 橋床であるアーチに、傾斜機能を補佐するおもりの役割を果たす支持アーチが鉄鋼製のケーブルで連結されていて、5分弱で40度傾きます。 この動きはとてもドラマチックで、「ウィンク」するアーチと称されています。また、日本の橋では、明石海峡大橋が世界最長支間を持つ橋として紹介されています。
  本書は、橋の構造や用途を知るための実用的な入門書です。第1章では、橋の材料、用途、様式について解説されており、 第2章では、各様式別のケーススタディを通してより深く橋を知ることができるように書かれています。専門用語が多く使われていますが、巻末に用語解説があるので、 素人の私でも比較的理解しやすく、代表的な橋の写真と精密なイラストにより、ビジュアル的にも見て楽しめるようになっています。
  今まで何気なく見ていた橋も、構造や様式を知ってから見ると、新しい発見があるかもしれません。気になった方は、ぜひ一度ご覧ください。