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サツマイモの増産

大政翼賛会・中央農業会・雑穀奨励会が作った『雑穀と蔬菜を作ろう』は、「空き地はどこにでもある」と呼びかけ、大豆(ダイズ)、南瓜(カボチャ)、玉蜀黍(トウモロコシ)、蕎麦(ソバ)、胡麻(ゴマ)、稗(ヒエ)の栽培方法を頒布しました。「一つ一つの収穫が、食糧非常増産運動の成果にひびき、一億国民の士気にも関係を及ぼし、敵撃滅の速度にも大きく影響して来る」との檄文が記されています。

昭和15年4月に行われた重要農産物増産村経済更正委員会では、米、麦と共に、甘藷(サツマイモ)の増産が審議されました。甘藷の増産は「戦時食糧の維持確保を図り、銃後生活の安定を期する上に極めて肝要なり」と記されています。甘藷は、村毎に割りあてが決められ、収穫後は政府へ供出されました。

昭和19年7月に、奈良県翼賛壮年団決戦食糧増産指導本部は、『決戦食糧増産指導者必携』を出版しました。昭和19年の秋は、「食糧自給の態勢確保は、国家の絶対的要請であるとされ、皇国危急存亡の秋」と位置づけられました。この本には、主要食糧農作物である米、麦、甘藷の特性と栽培法が細かく記されています。更に栽培法を広めるため、「甘藷増産数へ歌」が作られました。

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