戦争と食べもの ④

本年度の展示は、「戦争と食べもの」というテーマを設け、太平洋戦争期の食べものについてご紹介しています。第4回目の本展示は、「代用食」と題し、代用コーヒー、無駄をなくす食生活の工夫など、戦時中の代用食をとり上げます。併せて、戦中の清酒の配給制、戦後の配給制の実態をご紹介します。

昭和16年4月に、清酒は配給制になりました。家庭用酒通帳が配布され、役場から町内会長に配給量を通知し、家庭へ配給されました。戦時中の酒は薄められたもので、金魚を入れてもずっと泳いでいられるため、金魚酒と称されていました。奈良県は、「戦線の勇士を偲び節酒致しましょう」と呼びかけ、配給量の抑制に努めました。

戦局が悪化すると、配給の遅配、減配が増え、玉子の代用としてメリケン粉で作るかに玉、カラス麦と黒豆で作る代用コーヒーが紹介されるようになります。また、廃物にしていた食べ残しの魚の頭や骨でふりかけを作るなど、食生活の無駄をなくす工夫も実践されました。

日本は昭和20年8月に終戦を迎えますが、戦後も食糧の配給制が続けられていました。食糧配給公団の奈良県支局は、「コーンミールのおいしい食べ方を御存知ですか」と謳ったパンフレットを作成し、アメリカから輸入したコーンミールの調理法を広め、食糧の配給不足を補いました。

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