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賀屋興宜『貯蓄報国の途』

昭和13年、大蔵省国民貯蓄推奨局が発行し、日本勧業銀行によって頒布された小冊子『貯蓄報国の途』で、時の蔵相賀屋興宣は始まった支那事変(日中戦争)について、早くも「不退転の決意を固くして長期戦に備へねばならない秋である」と見通しを示しています。戦争による軍事支出の増加は、一面において国民生活を潤す側面があったとはいえ、同時に悪性インフレを招きかねない側面を持っていました。賀屋はこの小冊子において、貯蓄を行い公債を買うことは「一身一家の経済のみならず」、インフレを防ぎ軍資を提供するという意味において、「国家のためにも絶対必要」と説いています。

賀屋興宜『貯蓄報国の途』(表紙)
賀屋興宜『貯蓄報国の途』(目次)
賀屋興宜『貯蓄報国の途』
賀屋興宜『貯蓄報国の途』(奥付)

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