戦争と食べもの ③

本年度の展示は、「戦争と食べもの」というテーマを設け、太平洋戦争期の食べものについてご紹介しています。第3回目の本展示は、「調味料」と題し、調味料の配給制、家庭における調味料の使用の実態を取り上げます。

昭和15年に砂糖が配給制になったのを皮切りに、同16年に油、同17年に塩、味噌、醤油などが配給制となりました。配給制によって、調味料は切符がないと買うことが出来なくなりました。砂糖の配給量を抑えるため、「砂糖の過食は弱い子を作る」など調味料の使用を抑える宣伝が繰り返されました。

配給は町村長の定める地区によりました。配給業者は配給のつど、通帳に配給量の記入、捺印をするなど注意が細かく定められていました。配給は戦況が悪化するに伴い減配や遅配が多くなっていきました。

配給の不足を補うため、各家庭において調味料を作ることが紹介されました。酢は落ちていたり、虫がついて腐り始めた柿などから作られました。醤油を補うためにきな粉の汁が利用され、味醂の代用として山葡萄の汁が紹介され、これは国策調味料と位置づけられました。また、戦前から使用されていた味の素、ケチャップ、マヨネーズ、カレー粉などの代用品の作り方が紹介されており、戦争が調味料の利用に与えた影響が窺えます。

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