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呉海軍工廠に女子挺身隊として勤務した高知第一高等女学校関連資料

さらに戦争が激しくなると、男手の払底から、女性労働力の動員が図られました。高知第一高等女学校昭和18年度卒業生26人は女子挺身隊として、19年春から呉海軍工廠に勤務しました。そのひとり、M.J.氏から寄贈いただいた資料には、そのころを回顧した『はるかなり青春』『藤棚のもとで』、勤務の合間を縫っての合唱大会の写真や、寮で舎監の指導により作っていた歌集『両城集』などがあります。

第一回女子挺身隊・勤勞合唱大會プログラム
女子挺身隊勤勞合唱大會の写真

呉の姉に宛た手紙(その1)
呉の姉に宛た手紙(その1)

日増しに暑くなって参りますが、其の後お姉さまはお元気ですか、私も無事に家へ帰ることが出来ました。私が家へ帰って後も呉へたくさん来て居ますが被害はなかったですか、私もそちらへ帰ろうと思って二十二日の日に帰ろうと思って切符も買って高松迄行きましたが連絡船が出なかったので、帰れなかったです、二十二日夜から、毎日毎日B29かんさい機が編隊を持って空襲にくるのです、ほんたうににくらしい敵機です、今日もたくさん敵機が私の家の上空を飛びました、そちらへ帰ろうと思っても毎日毎日空襲で連絡船が出ていないのです。すみませんが、森川先生に伝えてくださいませんか、お願ひします、

家へ帰るとびっくりしました、もうどうなったかと毎日毎日心配ばかりして居たとお母さん、お父さんがおっしゃるのです、私のほうは、もう草取りの最中で毎日毎日一生懸命に草を取って居ますが此の頃は空襲が出ると危ないのですからうっかりしてをられませんお姉さんも毎日毎日一生懸命に励げんでいることと思ひます、呉も夜よく警報が入るのでせうね、私も毎夜です、ではお姉さんもお元気で働いて下さませ、私も便利をはかって帰れるようになったら帰ります体に気をつけて励んで下さい
さようなら
優しいお姉さまへ ひさ子拝

藤棚のもとで(表紙)
はるかなり青春(表紙)
「挺身隊の乙女31年ぶり再会」の新聞記事切り抜き
「20年ぶりに寮母さんと対面 高知から元女子挺身隊員ら」の新聞記事切り抜き

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