※下記は、2010年に確認した内容でありますが、その後外観や記載内容が変更されている場合があります。

割り箸(わりばし)

概要

吉野郡下市町は、割り箸発祥の地である。南北朝時代のころ、吉野の皇居におられた後醍醐天皇に、下市の里人が吉野杉で作った杉箸を献上したことに始まる。
杉箸には美しい木目と芳香があり、後醍醐天皇をはじめ、公家や僧侶などにも愛用された。やがて、江戸時代になると製法が改善され、吉野杉で作る酒樽の端材で作られた割り箸が、広く一般にも使用されるようになった。
現在では、建築資材を切り出した残りの端材を利用して作られている。
割り箸の主な種類としては、一般的な元禄箸、持ち手の側の端を斜めに切った天削(てんそげ)箸、両端が細く中央に膨らみのある利久(りきゅう)箸などがある。天削や利久は客をもてなす際の高級品として利用される。
現在、国内で消費される割り箸は、シラカバなどを使った安価な中国産が圧倒しているが、スギ、ヒノキの端材を使った国産品は今も下市町を中心とした吉野地方が主要産地である。

参考

 ※写真は、鍵本智さんの工場(奈良県吉野郡下市町阿知賀703)で撮影

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