奈良県立竜田公園の一部に含まれる標高82メートルの小高い丘で、桜の名所として知られる。
三室山の「三室」は、「みむろ」「神南備(かみなび)」とも書き、古来、神の鎮座する山や森を表している。
一説によると、飛鳥時代、聖徳太子が斑鳩宮造営にあたり、太子の出生地の飛鳥の神南備をこの三室山に移したという。
また、竜田川は古くから紅葉の名所としても知られ、在原業平(ありわらのなりひら)や能因法師(のういんほうし)ら、数多くの歌人に詠まれている。
言い伝えによれば、能因法師は神南(じんなん)集落の三室堂に住んでおり、たびたび三室山を散策に訪れていたという。
山頂の五輪塔は、能因法師の供養塔と伝えられ、公園整備の際に現在地に移されたものである。
所在地:奈良県生駒郡斑鳩町神南4