寺の由緒書によると、孝霊天皇(記紀系譜上の第7代天皇)の黒田廬戸宮(くろだいほとのみや)跡に聖徳太子が建立したと伝えられる真言宗の寺である。
推古天皇から「黒田山磯掛本寺(くろださんいそかけほんじ)」の勅号、用明天皇から「黒田山法性護国王院」の寺号を与えられ、山内に12カ坊を数えたという。
承元元年(1207)に残らず焼失したが、貞応元年(1222)に再建され、盛時を伝える室町時代、長禄3年(1459)墨書銘の板絵には、二十五の堂宇が描かれている。
しかし、その後、兵火で焼けて現在残るのは1坊のみである。本尊は子安地蔵菩薩立像。
記紀で孝霊天皇の皇子とされる吉備津彦が桃太郎のモデルとされていることから、町はこの地を桃太郎誕生の地として観光振興に役立てている。
所在地:奈良県磯城郡田原本町黒田360
拝観時間:境内拝観自由