元は元興寺の子院で別の場所にあったが、天正18年(1590)、現在地に移り、融通念仏宗の寺となった。
近くの誕生寺などとともに、奈良時代の右大臣藤原豊成の邸宅跡とされ、豊成を父とする中将姫の伝説にゆかりのある寺である。境内には、豊成と中将姫を供養する宝篋印塔(ほうきょういんとう/鎌倉時代)2基が建つ。
本堂は入り母屋造り本瓦ぶきで、寛文7年(1667)の建立。奈良県指定文化財である。
本尊の阿弥陀如来立像(鎌倉時代)は、北条政子の念持仏だったとされる。
毘沙門堂(びしゃもんどう)は寛永9年(1632)の建立と伝えられ、江戸初期の小規模な仏堂の好例とされる。
所在地:奈良県奈良市鳴川町25
拝観時間:9時00分~17時00分