弘仁9年(818)、空海が大峯入峰の際、道場を構えて椿山寺(ちんざんじ)と称したことに始まり、日蔵道賢(にちぞうどうけん)が中興したとされる。
南北朝時代に竹林院と改め、金峯山律寺四院の一つとなったが、現在は修験道の単立寺院である。境内の群芳園(ぐんぽうえん)は、池泉(ちせん)回遊式の庭園で、當麻寺中之坊(葛城市)、慈光院(大和郡山市)の庭園と並ぶ大和三名園の一つ。
室町末期、第21代住職・祐尊(ゆうそん)が大峯山の景観を映して築いたことに始まり、その後、豊臣秀吉の吉野山花見の折(1594年)に千利休が桃山風に改めた。細川幽斎(ゆうさい)が改修したとの説もある。
寺宝に、紙本墨書慶長19年五山衆試文稿(江戸前期、重要文化財、奈良国立博物館寄託)などがある。
所在地:奈良県吉野郡吉野町吉野山2142
拝観時間:8時00分~17時00分