※下記は、2010年に確認した内容でありますが、その後外観や記載内容が変更されている場合があります。

薪御能(たきぎおのう)

概要

奈良を代表する伝統行事の一つ。奈良市の無形民俗文化財に指定されている。
全国で広く開かれている野外能や薪能の起源とされる。
由来は、興福寺で貞観11年(869)に始まった西金堂修二会にさかのぼる。 修二会は旧暦の正月に行われる迎春法要で、興福寺では、仏にささげる神聖な薪を春日大社の背後に控える花山(498メートル)から運んだ。その薪を迎える儀式を、能の源流である猿楽にまねさせたのが始まりである。 献じられた薪が燃える火の明かりの下で演じられたという。
永徳3年(1383)ごろからは修二会と切り離して行われるようになり、また、同じころ大和四座と呼ばれた観世、金春、宝生、金剛がそろって出演するようになった。
近世には一般の人々の見学も許され、江戸時代の観光案内書「大和名所図会」で紹介された。 東大寺二月堂のお水取り(修二会)と並ぶ人気行事だった。
明治、昭和前半には中断された時期もあったが、昭和36年(1961)には保存会が結成され、開催も定例化した。
現在、行事は2日間にわたって興福寺と春日大社で行われる。 僧兵役も登場し、四座が出演する古式に近い形で、能や狂言が披露される。
興福寺では、南大門跡の芝生の広場に舞台を設け、夕方から薪を燃やす明かりの下で上演される。

参考

開催場所:
奈良県奈良市登大路町48 興福寺
奈良県奈良市春日野町160 春日大社
開催日時:5月第3週の金曜日・土曜日
・平成23年(2011)は、5月20・21日に開催予定
  20日 11時00分~12時15分ごろ、春日大社舞殿
         17時30分~20時30分ごろ、県庁前の登大路園地
  21日 14時00分~15時15分ごろ、春日大社若宮神社拝舎(はいのや)
         17時30分~20時30分ごろ、県庁前の登大路園地
※興福寺南大門跡が発掘調査中のため会場を変更
・平成24年(2012)は、5月18・19日開催予定
・平成25年(2013)は、5月17・18日開催予定

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