※下記は、2010年に確認した内容でありますが、その後外観や記載内容が変更されている場合があります。

五新鉄道跡(ごしんてつどうあと)

概要

かつて、国鉄(現在のJR西日本)和歌山線五条駅(奈良県五條市)と、紀勢本線新宮駅(和歌山県新宮市)を結ぶ計画だった鉄道路線。
昭和12年(1937)に着工され、吉野川横断の橋脚、生子トンネルの貫通にまで至ったものの、太平洋戦争が始まり、資材不足などの理由で工事が中断。戦後、工事は再開され、旧西吉野村(現五條市)から旧大塔村(現五條市)に抜けるトンネルも貫通したが、経済社会情勢などの変化によって、結局、開通せず、五新鉄道は幻に終わった。
五新鉄道の計画中止後、国鉄は完成した路盤の一部区間を利用して五条駅と旧西吉野村城戸の間で路線バスを運行した。その後、国鉄の分割民営化により事業を引き継いだJRバスが撤退すると、地元自治体の要請を受けて、奈良交通が市の補助を受けながら運行を継続している。
奈良県出身の映画監督で映像作家の河瀬直美は、西吉野村(現五條市)を舞台にした映画「萌の朱雀」で、五新鉄道計画の中止とその影響を受ける家族の物語を描き、平成9年(1997)、カンヌ国際映画祭カメラ・ドール賞(新人監督賞)を受賞している。

参考

所在地:奈良県五條市

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