桜井市高田の山口神社に祭る山の神にささげたものを奪い合い、膳を蹴って子どもたちが大暴れをする奇祭で、毎年12月第1日曜日に行われる。奈良県指定無形民俗文化財。
五穀豊穣(ごこくほうじょう)と子どもたちの健やかな成長を願い、暴れ方がひどいほど、その年は豊作であるといわれている。
かつては、この神事には毎年2軒の当屋(1年交代)が奉仕、神事で供える膳の準備などを行い、祭りの場所も当屋の家であった。現在は、高田地区内にある10の集落が1年交代で神事をつかさどり、集落の代表が当屋を務める。祭りも高田地区集荷場で行うようになった。
祭りでは、まず、青竹で2メートル四方のお仮屋(かりや)を作り、そこに山口神社の神霊を祭る。周りには、木で作った小さい農機具や、紙に包まれたさい銭などがつるされる。当日、合図とともに子どもたちがそれを奪い合い、しまいにはお仮屋まで壊してしまう。集会所に入ると、子どもたちは用意された膳をひっくり返し、汁が入ったわんを投げ合ったり、膳を壊したりの大暴れをする。
18時ごろからは、集会所の神棚にともされた神灯めがけ、濡れたわらを投げ付けて火を消し、当屋が火を再びつけるが、子どもたちがまた消すといった最後の一暴れをして祭りは終わる。暴れることは神霊を慰め、神意を喚起する作法であるといわれている。
祭りには小学生までの子どもが参加するが、少子化で数が減っているという。
開催場所:奈良県桜井市高田 高田地区集荷場
開催日時:毎年12月第1日曜日14時~