「打ち水大作戦のデザイン」

作成者
打ち水大作戦本部 編
出版者
インプログレス
刊年
2009

  暑い夏の午後には表に出て水を撒く。かつては日本の夏の風物詩であった打 ち水も、今ではほとんど見かけることがありません。
  すっかり過去の習慣となってしまった感のある打ち水ですが、2003年夏、「いっせいに打ち水をして真夏の気温を2度下げよう!」を合言葉に、決まっ た日時に打ち水をする「打ち水大作戦」なるものがスタートしました。これは、ヒートアイランド現象に対する打ち水の効果を検証しようという社会実験でも ありました。
  いくつかのNPO法人が構成する「本部」により運営されるこの打ち水大作戦、ロゴマークがデザインされ、柄杓や桶などのツール、さらには「打ち水音 頭」が製作されるなど、エンターテイメント要素も満載です。当日は雨水やお風呂の残り湯などの二次利用水でいっせいに打ち水をするだけ。誰もが手軽に そして楽しく参加することができます。
  2003年に東京で34万人が参加して行われたのを皮切りに、翌年には名古屋や大阪のみならず、ストックホルムでも“UCHIMIZU”が行われま した。以降、日本の各地、海外で毎年700万人以上を集める一大環境イベントとなっています。
 日本の夏の暑さは、近年では猛暑、酷暑といった言葉で表現される厳しいものになっています。本書で紹介される打ち水をとおして、ヒートアイランド現 象、ゲリラ豪雨をはじめとする異常気象など、地球環境について考えるキッカケができるのではないかと思います。