『東大寺』

作成者
西山厚監修
出版者
平凡社
刊年
2010.10

  平城遷都1300年祭で賑わいを見せる奈良ですが、例年、とりわけ多くの方が 奈良を訪れるのが、「正倉院展」のあるこの時期かも知れません。
  さて、そもそも、その正倉院、今は宮内庁が管理していますが、もとは東大寺の 倉庫でした。そして、先日、大きなニュースとして報じられたのが、正倉院の幻の 太刀(「陰寶劔(いんほうけん)」と「陽寶劔(ようほうけん)」)が東大寺から 発見されたということでした。東大寺にはまだまだ秘密が眠っているかもしれませ んね。
  そこで、お薦めするのが、その東大寺を特集したこの一冊です。
  本書は、聖武天皇と光明皇后によって造営された華厳宗大本山・東大寺の草創期 の歴史や良弁など同寺にゆかりの高僧の話や東大寺創建時からある法華堂(俗に三 月堂とも呼ばれている)の歴史および法華堂にある天平彫刻の代表とされる美しい 尊像の由来、奈良の春を迎える儀式として知られる修二会が行われる二月堂の歴史 なども詳しく、またビジュアルに紹介しています。巻末には、東大寺の行事、略年 表、境内図などがあります。
  改めて、本書で確認してから、東大寺を訪れてみてはいかがでしょうか。あなた だけのまた新しい発見があるかも知れません。