『広報の仕掛人たち : 21のPRサクセスストーリー』

作成者
日本パブリックリレーションズ協会編
出版者
宣伝会議
刊年
2006.12

 「PRとは(略)、報道機関などを通して社会と良好な関係を築き、維持・発展させていくことに主眼を置いたコミュニケーション活動」である と本書は言います。新規サービスや、新製品の事業自体にスポットライトが当たり、黒子役の広報のノウハウやスキルはベールに包まれています。 本書は、このベールをはずし、さまざまな課題に直面した企業や団体が、コミュニケーションの壁を乗り越えたストーリーを紹介し、 私たちに目からうろこのヒントや、地道になすべきことのアドバイスを与えてくれます。
  みんなが良く知っている伊藤園の「お~いお茶」の俳句は、「お茶はタダで飲むもの」という認識だった時代に缶のお茶を市場に出すためのPRで、 今やコカ・コ-ラを抜く売れ行き。「クールビズ」「ウォームビズ」「チーム・マイナス6%」の愛称は、環境省が行った地球温暖化防止のPRで、国民運動にまで発展。 「だけじゃない、テイジン」で、伝わりにくい、部品・素材メーカーの企業イメージを刷新した帝人のPRは、ブランド力を財産とすることに成功。
  本書の編者である日本パブリックリレーションズ協会は、毎年、PR・広報スキルの優秀な事例(作品)に対して表彰を行っています。 本書は、単に事例を紹介するだけでなく、21事例を6つの章「ヒット商品秘話」「ブランドの創造」「CDRとコミュニケーション」 「企業の評判とPR」「啓発・啓蒙のPRポイント」「地域活性化」に分け、各章ではPRの価値や戦略の解説をしており、読み応えがあります。