『イベントの仕事で働く』

作成者
岡星竜美著
出版者
ぺりかん社
刊年
2015.4

イベント(event)を辞書で引くと「出来事、行事、事件、事故」などとあります。私たちのまわりにそういう「イベント」は日々大小問わずあちらこちらで開催されています。
イベントの種類は様々で、主催者の種類でいうと家族や友達間の小さなものから、学校・各種団体・国さらには世界的な大規模なものまであります。形態で分けると、競技会などのスポーツイベント・音楽や演劇などのエンターテインメントイベント・商品やサービスのPRなどの販売促進イベント・花見や盆踊りなど季節や地域のイベント等々があり、社会的な役割によっては、娯楽イベント・興業イベント・公共イベント・市民イベントなどに分けられます。
イベントと一言で言うと簡単ですがその定義は何か、本書では、通商産業省(現・経済産業省)のイベント研究会によるものとして「イベントとは、何らかの目的を達成するための手段として行う行・催事である」を引用しています。イベントには、主催者がいて、その主催者には必ず「目的」があって、その「目的」を効果的・効率的に達成するための「目標」があり、そのための「手段」としてプログラムを考え、イベント全体を構成している、と書かれていて、その構成要素は6W2Hであるとしています。誰もがよく聞く5W1HにプラスWhom(誰に)とHow much(いくらで)を加えています。この構成要素をよく理解することが、参加する側も主催する側も大事だと書いています。
イベントは、主催者以外に開催場所から、企画・制作・実施まで多くの専門家たちが関わり協力して初めて完成します。どの部分に自分が関わるか、どの仕事をしたいか、本書を読んで考えてみることができます。また現場で働く先輩たちのエピソードなどを交えた紹介文は実際に仕事に関わった“ドキュメント”として興味深く読めます。
本書は「なるにはBOOKS」という、働くことの魅力を伝えるために昭和46(1971)年から刊行されている職業紹介ガイドブックのシリーズの中の1冊です。「仕事の世界」「ドキュメント」「なるにはコース」の3章構成で、他にもさまざまな職業について1冊ずつ紹介されています。情報館の3階、YA(ヤングアダルト)コーナーに置いてあります。高校生やこれから働きたいと考えている方は是非一度手に取って見てください。働くことを今一度考える機会になる1冊です。