『大切にしたい、にっぽんの暮らし。』

作成者
さとうひろみ
出版者
サンクチュアリ出版
刊年
2013.12

  「歳時記」。それは、一年中の行事や、四季折々の風物などについてまとめたもののことです。本書は、日本の古くからの行事や風習などをカラフルなイラストとともに楽しめる歳時記の入門書ともいうべき一冊です。簡単にできるワンプレートおせちや、折り紙で作る雛人形など、伝統を守りながらも誰にでも手軽に行事を楽しめる方法を1月から12月まで各月ごとに紹介しています。
 例えば、5月のページには、「八十八夜」についての紹介があります。立春から数えて88日目(5月2日頃)を「八十八夜」といいますが、“八十八”という字を組み合わせると「米」という字になることから、この日は農業にとって縁起の良い日とされています。この時期には新茶の茶摘みが盛んになり、特に八十八夜の日に摘んだお茶を飲むと、1年間元気に過ごせるといわれています。本書では、お茶のおいしい淹れ方やハードルの高そうな抹茶の点て方まで気軽に楽しめる方法が紹介されています。最近では、日本茶もペットボトルやティーパックなどに頼りがちですが、たまには急須で淹れたお茶でゆったりとくつろげる時間を過ごしてみるというのもいいですね。
 本書は、決して堅苦しいものではなく、現代風にアレンジされた歳時記です。簡単、手軽に日々の生活に取り入れることができるようなアイデアやヒントがいっぱい詰まっています。本書を参考にして四季の行事や風習を普段の生活に取り入れれば、一年がもっと豊かで、楽しくなりそうです。