『フィギュアスケート美のテクニック』

作成者
野口美惠企画・執筆
出版者
新書館
刊年
2011.5

  もうすうぐ、第22回オリンピック冬季競技大会(ソチオリンピック)が始まります。早くからテレビや新聞でも選手たちのドラマなどが伝えられ、 盛り上がりを見せています。競技種目は男、女、混合を合わせると98種目もありますが、そのなかでもフィギュアスケート(全5種目)は、芸術的なパフォーマンスがあり、 その美しさを楽しむことができる競技です。
  フィギュアスケートはジャンプだけで6種類もあります。アクセル、サルコウ、ループ、トウループ、フリップ、ルッツ。聞いたことはあるけれど、 その違いが分からないという方も多いと思います。知ればもっと楽しめるのでは? そう思って開いた本が、本書です。
  6種のジャンプはすべて、左回りをして右足で後ろ向きに降りるそうです(選手によっては逆の場合も)。助走と踏み切りの違いによって、 別のジャンプになります。見ていて違いが一番わかりやすいのはアクセルで、唯一前向きに踏み切るジャンプです。このため、ほかのジャンプよりも半回転多く回ることになります。 スケート靴のブレード(刃)は2枚刃になっていて、右足のアウト(外側)のブレードで助走をするか、左足のイン(内側)のブレードで助走するかで違いがあります。 そして、助走後の踏み切りは、「エッジ(刃)系」と「トウ(つま先)系」の2種。アクセル、サルコウ、ループは、エッジで氷を削ぐように深くエッジを倒して体重をかけて跳び上がり、 トウループ、フリップ、ルッツは、トウを氷に突いて跳び上がるきっかけを作るそうです。
  アクセルの場合は、まず、右足のアウトで後ろ向きに滑って助走をつけた後、前向きに振り返って、左足のアウトに乗り、このアウトエッジで踏み切ります。 そして回転したあと、右足のアウトで着氷。ブレードのインとアウトの違いで選手の体の傾きが違うので、見慣れると、ジャンプの違いが見分けられるようになると思います。
  ソチオリンピックに向けて、ぜひ本書をお読みいただき、そして、フィギュアスケートそのものを見て、オリンピックを楽しんでください!

※Webでも、ジャンプ等の解説を見ることが出来ます。
  公益財団法人日本スケート連盟「フィギュアスケート技の解説」
  URL http://skatingjapan.or.jp/figure/trick.html