『台所防災術:がんばらなくても大丈夫』

作成者
坂本廣子・坂本佳奈著
出版者
農山漁村文化協会
刊年
2012.5

  防災の備えとして、みなさんはどのようなことをされていますか? 防災用グッズが、いつのまにか物置の奥に追いやられているなんてことはないで しょうか?この本では、阪神・淡路大震災で被災された料理研究家の親子が、自身の経験をふまえて、ふだんの暮らしが「そのまま防災の備え」にな るような習慣や工夫を紹介しています。
  最近では、折りたたみヘルメットや避難用ハシゴなどさまざまな防災グッズが売られていますが、いつどこで遭うか分からないのが災害。防災グッズ を準備していても、すぐ手にすることができなければ意味がありません。そこで本書では、グッズを取りそろえるよりも、使い慣れた身の回りのもので 代用・活用することが提案されています。例えば大判のショールなら、週刊誌を広げて頭に載せた上からショールをかけてしばると、火の粉やガラス片 から頭を守ることができます。他にも、ねじってロープ代わりにしたり、狭い場所を通るときにはすり傷防止に頭から肩にかけたり、骨折時に使う三角 巾やカバン代わりにもなります。
  著者は、料理研究家という得意分野を活かして、台所用品の活用や緊急時の調理方法についても紹介しています。火力や水などを節約する料理や、乾 物・保存食品の扱い方や特性など、何となく知っていることでも、改めて確認しておくといいかもしれません。
  生活すべてを防災仕様に変えて緊張したまま過ごすのではなく、災害の備えが日常に溶け込み毎日をていねいに暮らす、そんなアイデアや気づきが詰 まった一冊です。