『ビジュアルでわかる宇宙観測図鑑:ここまで見えてきた宇宙の謎』

作成者
沼澤茂美 脇屋奈々代著
出版者
誠文堂新光社
刊年
2012.11

  今年は、彗星の当たり年と言われています。11月から12月にかけては、アイソン彗星が接近中です。3月に接近したパンターズ彗星は予想より明る くならず、肉眼でかすかに見える程度でしたが、アイソン彗星は大彗星といえるほどの明るさが期待できるそうです。ただ、当初の-10等より暗い- 5等級程度と予想が下方修正されるなど、研究が進んでも彗星の見え方の予想は難しいようです。そこで、今回の気になる一冊は宇宙観測に関する本を ご紹介します。
  本書は、ほとんどのページにカラー画像が使用されており、惑星や恒星、銀河の最前線の話題を視覚的に伝えてくれます。彗星に関しては、ハレー彗 星などの写真が掲載され、これまでの研究から「地球の生命の素はかつて彗星によって運ばれてきた」という従来の説が真実味を帯びてきたとしていま す。
  アイソン彗星の発見は2012年9月21日で、詳細がわかってきたのは今年に入ってからです。そのため、残念ながら本書には最新のアイソン彗星 に関する記載はありません。最新の彗星に関する情報は、当館所蔵の雑誌『月刊天文ガイド』で毎号のように特集が組まれていますので、こちらもあわ せてご覧ください。アイソン彗星が見える位置や時間などが紹介されています。