『磯野家の介護:もし波平がまだらボケになったら』

作成者
「磯野家の介護」研究会著
出版者
G.B.
刊年
2012.6

  長寿国日本と言われて久しいですが、2010年には高齢化率(65歳以上のお年寄りが総人口に占める割合)が23%を超えて、いよいよ超高齢化 社会に入りました。今は自立した健康な生活を送っていても、親、配偶者、また自分自身が介護し、介護されるかもしれないことは、誰にとっても他人 事ではありません。
  この本では、国民的漫画「サザエさん」の家族をモデルにして、「もし波平さんがまだらボケになったら」どうなる? どうすればよい? という、 典型的な症状やそれに対する具体的なアドバイスが書かれています。例えば認知症の方は、食事を終えても、時間をおかず何度も食事を要望することが あります。波平さんがサザエさんに食事を要望する例では、「準備するからもう少し待ってね」と答える、腹持ちのよい少量のおやつを渡すなど、いく つかの対応案が紹介されています。
  なじみのある磯野家がモデルになっていますので、家族構成を知る方には家族間のやりとりの例も理解しやすいですし、波平さんに対するサザエさん 家族のあたたかい対応は、前向きな気持ちで介護に取り組めるイメージを描かせてくれます。また巻末には、デイサービスや多機能ホーム、給付金のこ となども掲載されています。認知症の方の介護について概要がわかる、読みやすい1冊です。