『日本の七十二候を楽しむ-旧暦のある暮らし-』

作成者
白井明大文 有賀一広絵
出版者
東邦出版
刊年
2012.3

  みなさんは、七十二候(しちじゅうにこう)をご存知ですか?
  日本には、春夏秋冬の四季だけではなく、二十四の気という季節に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と二十四節気をさらに三つに分けた七十二 候という季節があります。二十四節気は、立春からはじまり、春分、夏至、秋分、冬至の四つの時期(二至二分と呼ばれます)を経て大寒までとされて います。多くの人に知られている夏至(げし)や秋分(しゅうぶん)などは中気(ちゅうき)と呼ばれ、さらに初候・時候・末候と約5日ずつにわけら れて七十二候となるわけです。
  本書は、旧暦の暮らしをテーマにして、各気各候に応じた自然の特徴が記述されています。見開き1ページで、旬の食べ物、祭りや行事など、さまざ まな事柄をそれぞれの気や候の項目でイラストも入れて紹介しています。また、旧暦が新暦のいつごろに相当するのかも載っています。四季と各候は以下のように分けられています。

  • 春(立春;雨水;啓蟄;春分;清明;穀雨)
  • 夏(立夏;小満;芒種;夏至;小暑;大暑)
  • 秋(立秋;処暑;白露;秋分;寒露;霜降)
  • 冬(立冬;小雪;大雪;冬至;小寒;大寒)

  ここで、今の時期の大暑をご紹介します。大暑とは、1年でもっとも暑い真夏のころのことで、この時期には、土用のうなぎ、風鈴、花火と風物詩が 目白押しです。
  このメルマガで紹介させていただく時期は、大暑の次候で、候の言葉は、八朔(はっさく:旧暦の八月一日の意)といいます。そのころ、とれはじめ る早稲の穂を、お世話になっている人へ贈る習慣があったそうです。
  本書を読み、その時期の旬の野菜や果物、言葉の意味などを知ることで、季節を感じ、暮らしをより楽しむことのできる1冊です。