『凸版・活版印刷でいくのだ!』(デザインのひきだし : プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・ 加工の実践情報紙10)

作成者
グラフィック社編集部編
出版者
グラフィック社
刊年
2010.6

  紙に型押しされたポコポコへこんだ文字、インクの濃淡も味わい深く、見るたび、触れるたび、うっとりしてしまう・・・凸版印刷されたものに対す る私の思いです。
  チラシや書籍など通常の印刷物の大半は、「オフセット印刷」といって、平たい版を使用した印刷ですが、繊細な印刷表現もできるうえに版のコスト も安く、印刷スピードも早いそうです。かたや、今や探さないと見つからない凸版・活版印刷は、活字や凸部分にインクをつけて刷るため、インキがか すれたりへこんだ感じになりますが、素朴な風合いをかもし出したり、ときに鮮明で強い印象を与えます。
  本書では、凸版・活版印刷の職人さんやデザインのプロが、伝統を守り、さらに新たな魅力を引き出さんとチャレンジしていく様子を、豊富なカラー 写真で紹介しています。また表紙の活版仕様はもちろん、実験的とも言える印刷物の付録も楽しい仕上がりになっています。『デザインのひきだし』は 今も刊行が続いていますが、印刷や紙に関する多様な技やアイデアが見本市のように紹介され、マニア必見のシリーズです。