『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』

作成者
工藤美代子著
出版者
メディアファクトリー
刊年
2011.5

  寒い季節になんですが、お化けを見たことがありますか?
  ご自身にはなくても、お知り合いの中には一人ぐらい見た人がいらっしゃ るのではないでしょうか。
  ちなみに私は、金縛りの最中にお化けらしきものを見たことが何度かあり ます。とは言うものの、それは夢か現かよく分からない程度のもので、まあ おそらくは夢だったのだろうと思っています。
  さて、今回ご紹介する図書は、著者が実際に遭遇した不思議体験を綴った エッセイです。
  怪談本はたくさんありますが、本書が一味違うのは、著者が「嘘を書かな いこと」「盗作をしないこと」を身上としているノンフィクション作家とい うことでしょう。
  ネタバレするので内容は詳しく書きませんけれど、単なる怪異遭遇譚には とどまらない不思議現象に驚かされます。「すべて真実で、一切脚色は加え ていない」とのことですが、そうは言われましても・・・と思わざるをえな いエピソードの数々。面白いことに、体験している最中には相手があちら側 の人とは分からず、後になってから気付くそうです。それほどハッキリ見え て(聞こえて)いるのでしょうね。
  図書館は本や情報だけでなく、人との出会いの場でもあるのですが、アメ リカのウィラード図書館http://www.willard.lib.in.us/)のように、当 館にもあちら側の方々がご来館くださっているのでしょうか。そういえば、 映画『ベルリン・天使の詩』では、図書館に天使たちが集っていましたね。
  自分には霊感がないと断言する人、多くないですか?しかし著者の想像で は、現代社会に生きている人々の八割以上が、なんらかの形で彼らと出会っ た体験があるそうですよ。