※下記は、2010年に確認した内容でありますが、その後外観や記載内容が変更されている場合があります。

妙法寺(御厨子観音)(みょうほうじ/みずしかんのん)

概要

真言宗高野山派の寺院で、本尊は十一面観世音菩薩。
吉備真備(きびのまきび)が、入唐留学によって学芸を修めるとともに無事帰国できたことを、日頃信仰していた観音様に感謝し、天平7年(735)、子の善覚律師に命じて観音堂を創建させたことに始まる。
真備は、奈良時代の学者で政治家。霊亀2年(716)、朝廷から遣唐使の一員に選ばれ、安倍仲麻呂、玄昉らとともに入唐留学し、のちに中納言、大納言を経て右大臣まで進んだ。
吉備一族の退潮後も、寺は観音様の霊験加護にあやかろうとする人々によって支えられた。盛時には、およそ5万平方メートルの境内に多くの堂宇が立ち並んでいたといわれるが、数々の戦乱、火災に遭い、往時をしのぶ建造物は残っていない。現在の本堂は、元禄時代に観音様を信仰する人々により再建されたものである。
本尊の十一面観世音菩薩は、錫杖(しゃくじょう)を持った長谷型十一面観音として鎌倉時代に制作され、胎内には交通安全に御利益のある馬頭観音が納められている。真備の渡航の安全祈願成就にあやかり、「一願成就の観音様」として信仰を集めている。

参考

所在地:奈良県橿原市東池尻町420
拝観時間:9時00分~15時00分

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