五條市霊安寺町の御霊神社から、嘉禎4年(1238)に分祀(ぶんし)されたと伝えられる。祭神は、聖武天皇の皇女で光仁天皇の皇后井上(いのえ)内親王。
本殿は、一間社春日造。本殿の左右に境内社があり、向かって左側はその皇太子、他戸(おさべ)親王を祭る他戸神社、右側は光仁天皇の皇子早良(さわら)親王を祭る早良神社。ともに一間社流造である。
三社殿はいずれも文明4年(1472)の建築で、重要文化財に指定されている。
本宮となる御霊神社(霊安寺町)は、光仁天皇を呪う祈祷(きとう)をさせた罪で地位を廃され、幽閉先で亡くなった井上内親王と他戸親王の霊を弔うためつくられたとされる。分祀された御霊神社は、旧宇智郡(五條市と吉野郡大淀町佐名伝)一円に存在する。
所在地:奈良県五條市中之町
拝観時間:境内拝観自由