春日大社の後方にある御蓋山(みかさやま)から東の一帯を総称して春日山という。標高498メートルで、南北に長い山地である。
春日山は、古くから春日大社の山として神聖視され、1000年以上に渡って樹木伐採が禁じられてきたため、今なお原始林が広がっている。
市街地に近接して原始林が存在することは非常に珍しく、国の特別天然記念物に指定されており、「古都奈良の文化財」の一部として世界遺産にも登録されている。
近年は、奈良の鹿の増加によって林床植物が食べられ裸地が広がる一方で、鹿が好まない植物が生長し、林床を覆うようになってきた。鹿が樹皮を剥(は)いで食べるため、照葉樹の枯死も見られる。
所在地:奈良県奈良市春日野町