五条山一帯(奈良市赤膚町)で焼かれる陶器を赤膚焼という。赤みがかった乳白色の柔らかい風合いと、御伽草子(おとぎぞうし)などを題材とした奈良絵文様が特徴で、茶器、花器、置物などさまざまな作品が作られている。
名前の由来は、陶土の鉄分含有量が多く、地肌が赤みを帯びていることから名付けられたという説と、地名からきたという2説がある。
江戸時代後期に、大和郡山の名工・奥田木白(もくはく)が、京焼の作風を取り入れて発展させ、赤膚焼の名前を広めた。
奈良県の伝統的工芸品に指定されており、現在でも、奈良市、大和郡山市に窯場が点在する。
※写真は、赤膚焼大塩正人(まさんど)窯(奈良県奈良市赤膚町1051-2)で撮影