━━━━━━━━━━━━━━━━━   Lib Info NARA   −奈良県立図書情報館通信− ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2022.3.15   No.402 ■3月の休館日→22日、28日、31日 □休館日  月曜日(祝日・振替休日にあたるときは、その次の平日)  毎月月末(土・日・月曜にあたるときは、その前の平日) ━━━━━━━━━━━   M E N U   ━━━━━━━━━━━ ┏━┓ ┃1┃トピックス◆3月後半のイベント ┗━╋━━━━━━━━━━━━━━ ┏━┓ ┃2┃館長連載「図書情報の文化史」 ┗━╋━━━━━━━━━━━━━━ ┏━┓ ┃3┃図書情報館からのお知らせ ┗━╋━━━━━━━━━━━━━━ ┏━┓ ┃4┃図書館員の気になる一冊 ┗━╋━━━━━━━━━━━━━━ ┏━┓ ┃5┃編集後記 ┗━╋━━━━━━━━━━━━━━ ┌◇┐━━━━━━━━━━━━━ ◇1◇トピックス◆3月後半のイベント └◇┘━━━━━━━━━━━━━ ※新型コロナウイルス感染症の影響による情勢の変化を鑑み、内容の変更や 延期、中止になる場合もあります。 ■【受付終了】FP(ファイナンシャル・プランナー)によるくらしとお金の セミナー「人生100年時代に考える『資産のつくり方・守り方」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 長寿化を迎え、資産を運用で増やすだけではなく、資産の寿命を延ばすこと も必要となっています。リタイア後の生活に必要な資産のつくり方や守り方 について一緒に考えましょう。□3月19日(土)13:30〜15:00 □会場 1階交流ホール □講師:西田 雅文氏(ファイナンシャル・プランナー) □定員等:30名(先着順)・無料・要申込 ※定員に達しましたので、参加申込受付は終了しました。 ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/event/3783 ■【受付終了】図書館寄席 花鹿乃芸亭 第62回  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 奈良市出身の落語家 桂文鹿(かつら ぶんろく)さんプロデュースによる 図書館寄席「花鹿乃芸亭」。近世以来の伝統的話芸であり、世相や風俗の宝 庫でもある落語。古典から新作まで、時代の姿を語りながら現代も映す「語 られる書籍」をお楽しみください。 □3月26日(土)13:30〜(開場12:30) □会場 1階交流ホール □プログラム 桂文鹿・桂吉弥・桂白鹿 □参加料1,000円(中学生以下500円) ※当日受付にてお支払いください。 ※開催を延期した「第58回花鹿乃芸亭」(令和3年7月3日)の代替回として 開催します。参加できるのは「第58回花鹿乃芸亭」に申し込まれた方のみで す。 ■【満席】図書館劇場16第6幕  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 千田 稔館長による連続公開講座「図書館劇場」。千田館長と多彩なゲスト 講師が歴史にまつわる最新の研究などについて講演します。 □3月27日(日)13:00〜(開場12:00) □会場 1階交流ホール □プログラム  高松塚古墳発掘50周年記念 ・映像詩 保山 耕一(映像作家) ・講演1 「高松塚古墳のさまざまな被葬者論」千田 稔(当館館長) ・朗読  都築 由美 ・講演2 「高松塚古墳壁画と粟田真人」東 潮(徳島大学名誉教授) □資料代500円(当日受付にてお支払いください。) □定員100人(先着順・要申込) ※定員に達しましたので、参加申込受付は終了しました。 ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/event/3784 ■【満席】声に出して読んで味わう読書会2021  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 声に出して本を読んで、言葉のもつ、響き、独特のリズム舌触りなどを楽し み、内容について感じたことを話し合ってみる読書会形式のイベントです。 参加者と一緒に一冊の本を出発点とし、音読することで物語が目の前に立ち 上がっていく快感や驚きを体感します。 □第14回:3月29日(火)18:00〜19:50 □会場 1階交流ホール □ファシリテーター:小栗一紅氏(劇作家・俳優) □取り上げる本:『椿の海の記』(石牟礼道子/河出文庫) □定員等:15名(先着順)・無料・要申込 ※取り上げる本『椿の海の記』を購入のうえ、ご参加ください。 ※定員に達しましたので、参加申込受付は終了しました。 ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/event/3801 ┌◇┐━━━━━━━━━━━━━━ ◇2◇ 館長連載 └◇┘「図書情報の文化史」素描編    ━━━━━━━━━━━━━━ 第402回 日本人の風景観―試論(その21)           館長 千田 稔  万葉歌で、真正面から平城京の壮大な風景をたたえる歌は見つからない。 なぜだろうか。このように問題点を示すのは、意味がないとは言えない。次 の歌は、あまりにもよく知られている。 青丹よし 奈良の都は 咲く花の 匂うがごとく 今盛りなり(巻3―328) この歌は奈良で詠まれたのではなく、小野老(をののおゆ)という官人が大宰 府で作ったものである。都から遠く離れた西国の大宰府で任につく官人にと って、できることならば、平城京に帰りたい。だから、平城京の風景を目の 当たりにしているわけではない。「咲く花の 匂うがごとく 今盛りなり」か どうかは、わからない。赴任地の大宰府に比べると、規模の違いは歴然とし ているが、平城京が花咲き誇る華麗な都であると作者は思っていないかもし れない。この歌から、しばしば、後世の者が平城京の風景を繁華の都と思い 込むのは、躊躇すべきかもしれない。次の歌も同様に大宰府で詠まれた歌で あるが、平城京が華の都であらねばならないのだ。 藤波の花は、盛りになりにけり、平城(なら)の京(みやこ)を、思ほすや君(巻 1―330) 大伴四綱(おおとものよつな) が大伴旅人(おおとものたびと)に贈った歌で ある。藤波とは、藤の花のことであるが、風で波のように動くから藤波とい う。大宰府の藤の花が満開になりましたが、藤の花が咲き誇る平城京のこと を、あなた様は思いませんかと、大宰府の長官の旅人に問いかける。この場 合も平城京は「華」である。つまり、日本という国内でのささやかな中華思 想が、こめられている。小野老の歌と同じように都=華とする定型化の風景 と解すべきではないだろうか。(つづく) ┌◇┐━━━━━━━━━━━━━━━ ◇3◇ 図書情報館からのお知らせ └◇┘━━━━━━━━━━━━━━━ ※新型コロナウイルス感染症の影響による情勢の変化を鑑み、内容の変更や 延期、中止になる場合もあります。 ★(^−^)★イベントのお知らせ★★★ ■映像作家・保山耕一氏作品 常設上映  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 映像作家・保山耕一氏が綴る映像詩『奈良、時の雫(しずく)』からセレク トした作品を月替わりで常設上映します。 □3月の作品『祈り 秋・冬』 □上映期間:3月30日(水)まで □2階東側正面入口 ※映像は、開館時間中リピート再生(上映時間約24分) ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/gallery/3805 ■さくらマルシェ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 奈良市中心部を南西に向かって流れる佐保川。奈良市法蓮町の下長慶橋から 同市杏町の大和郡山市境までの区間4.5キロの両岸には、ソメイヨシノ約100 0本の桜並木が続いています。佐保川沿いに位置する図書情報館では、美し い景観と、もっと情報館に親しみを持っていただきたいとの思いから「さく らマルシェ」を開催します。 □4月2日(土)、3日(日)10:00〜16:00 □東側正面入り口前  ※雨天開催:雨天の場合、東側正面入り口ファサードで開催。 ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/event/3809 ■法務無料相談会&知識セミナー  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ □4月3日(日)13:30〜17:00 □1階交流ホール □第1部 知識セミナー  13:30〜15:00(質疑応答含む) ※申込不要・無料。直接会場にお越しください。 「2022年 年金法改正 その2 働きながら年金をもらう(在職老齢年金)」 講師:小野 啓一 氏(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー) 内容:2022年4月より大幅に年金制度が変わりますが、今回は65歳未満の在 職老齢年金制度の要件緩和を取り上げます。計算の前提となる社会保険料の 決まり方(標準報酬月額)の説明から始めて、給与、賞与との調整の仕方に 関して65歳以降も含めて解説します。 □第2部 無料相談会 15:00〜17:00(予定) ※会場で13:00から整理券を発行します【先着10名程度】 ○相続・遺言、交通事故、離婚、不動産、在留資格、会社設立、クーリング オフ、農地転用、雇用・労働、社会保険、年金など、まずはお気軽にご相談 ください。 ○個別の税務相談は行っておりません。 ○秘密厳守です。安心してご相談ください。 ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/consultation/3814 ■松田大児さんの「おとなのための のびのび気楽な手作り絵本WS(ワーク ショップ)」season1  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 画家でサーファーの松田大児さん(通称:オバンさん)が講師を務める「手 作り絵本講座」です。講座は月1回×4回=1シーズンで、絵本を1冊仕上 げます。仕上がった絵本は、2023年2月(2/14〜2/28予定)、図書情報館エ ントランスにて展示します。 □対象(@〜Bすべてに該当する方) @1シーズンすべて受講できる高校生以上の方。 A2023年2月(2/14〜2/28)開催予定の「展示会に出品していいよ」という 方。 B絵本づくりに必要な道具&使いたい材料(ハサミ、のり、紙、絵具、マス キングテープ、など)を、2回目以降の講座に、ご自身でそろえて持って来 られる方。 ※シーズン1受講者は、シーズン2(9月開始予定、申込み開始8月ごろ) への参加はできません。 □スケジュール 5月7日(土)、6月4日(土)、7月2日(土)、8月6日(土) □時間・定員 時間13:30〜16:30 定員20人(要申込・先着順)・参加料無料 □1階交流ホール ※当日参加できません。 ※申込受付開始は4月5日(火)9時からです。 ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/event/3791 ■大安寺歴史講座Ver.13 「大安寺と林邑僧仏哲」第1回  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 南都七大寺の一つ「大安寺」による歴史講座Ver.13の第1回を開催します。 □4月24日(日)13:00〜15:00 □1階交流ホール □テーマ:「仏哲が大安寺に渡来した時代背景」 □講師:大西和彦氏(一般財団法人アジア国際交流奨学財団日本語研究員) □参加料1000円(資料代として) ※事前申込が必要です。 ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/event/3811 ■ITサポーターズによる「ITサポートデイ」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ パソコンでお困りのあれこれに、ボランティアスタッフがお手伝いします。 □3月27日(日) □2階セミナールーム □13:30 - 16:00 (無料・時間内出入り自由) ★詳細はこちら★ https://www.library.pref.nara.jp/supporter/index.html ■佐保川まちづくり塾 パソコン教室  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ NPO法人奈良シニアIT振興会と共催により、開催しています。 □6 ワード応用 https://www.library.pref.nara.jp/event/3523 □8 エクセル中級 https://www.library.pref.nara.jp/event/3527 ■新着図書情報(月に1度更新!)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ★詳細はこちら★ https://www.library.pref.nara.jp/search/newarrival/index.html ★(^−^)ノ★資料展示★★★★★★ ■【展示中】第59回 「奉祝国民歌紀元二千六百年」を“読む”  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「奉祝国民歌紀元二千六百年」は、皇紀(神武天皇即位紀元)2600年=西暦 1940(昭和15)年を記念して、歌詞・曲を公募して作られ、流行歌となりま した。当館AVブースで視聴できる、当時の音源と映像からなるDVDの内 容を紹介しています。 □6月29日(水)まで □3階戦争体験文庫展示スペース ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/collection_sentai/exhibition ■【展示中】アジアの隣人を知るために  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 東アジア・東南アジアの国々に関する資料を展示します。韓国では大統領選 挙がおこなわれる時期であるため、文学や旅行記にとどまらず、社会や政治 システムなどについても触れる資料も展示しています。 □3月30日(水)まで □3階展示コーナーA ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/gallery/3804 ■【展示中】BBB「桜」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ リアルとnoteのコラボ、web展示BBB(The Bridge Between Books and ___「 本と___の架け橋」)。テーマに沿って選んだ本と、連想した様々なモノ・ヒ ト・コトを紹介する企画です。今回は「桜」。 □3月21日(月祝)まで □3階展示コーナーC ■【展示中】ピーターの“しっぽ”を追いかけて  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 今も世界中で愛され続けている絵本、ピーターラビット。第1作『ピーター ラビットのおはなし』が出版されてから、今年で120年となります。絵本シ リーズや著者ビアトリクス・ポターに関する本はもちろん、作品誕生前に著 者が関心をもっていた植物学に関する本などを展示しています。 □3月30日(水)まで □3階展示コーナーD ■【展示中】東大寺お水取り  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 春の訪れを告げる行事として親しまれる「東大寺『お水取り』」(3月1日〜 14日)にまつわる資料を展示しています。 □3月21日(月祝)まで □3階展示コーナーE ■【展示中】読んでみて候  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 図書情報館読者で作る時代小説目録「読んでみて候」。ご紹介いただいた図 書をコメントとともに展示しています。 □3月30日(水)まで □3階展示コーナーH ★(^o^)ノ★企画展示★★★★★★★ ■【展示中】世界を知ろう学ぼう展〜JICAの開発教育の紹介〜  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ JICAの開発教育事業に関するパネルを展示しています。 □3月21日(月祝)まで □2階カフェ横 □JICA関西 ■【展示中】建築・まちづくり情報発信展  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 過去30年間において県内で開催された、建築・まちづくり分野の講演会やシ ンポジウム、パネル展により情報発信している事業をパネルで紹介します。 □3月21日(月祝)まで □2階エントランス □(公社)奈良まちづくりセンター他 ■【展示中】奈良市周年記念姉妹都市等パネル展  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 奈良市と周年を迎えた姉妹都市や交流のある都市についてパネル展示します 。 □3月15日(火)〜24日(木) □2階セミナールーム前 □奈良市観光戦略課 ■【展示予定】陶芸家 澤田真一展  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 国内外で注目を集める「アール・ブリュット」作家 澤田真一の近作である 陶芸作品27点と、初期作品の写真展示を行います。 □4月1日(金)〜17日(日) □2階エントランス □協力:社会福祉法人なかよし福祉会 ★詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/gallery/3794 ┌◇┐━━━━━━━━━━━━━━━ ◇4◇ 図書館員の気になる一冊(382) └◇┘━━━━━━━━━━━━━━━ 『チェコスロヴァキア軍団 ある義勇軍をめぐる世界史』 林 忠行著 岩波書店 2021.7  第一次大戦後から、広くはソ連崩壊に至る、民族主義の高まりとともに分 立するようになるまで、チェコスロヴァキアという国家がありました。名が 長いのでしばしばチェコとも略されましたが、それは東海道山陽新幹線を、 単に東海道新幹線と略すような不適切な略し方だ、といったような言われ方 もしていました。両者は別物だからで、本書には、これをあわせた概念が出 てくるのも第一次大戦頃からだ、との指摘も見えます。  チェコスロヴァキア建国を実現した独立運動とあわせ、建国に一定の役割 を果たした軍団の軌跡をまとめたのが本書になります。叙述は平易なものの 、一連の経過は、国家・民族・理念等が様々に交錯しており、要約するのに 骨が折れます。  例を挙げていきましょう。チェコやスロヴァキアは、領域としては同盟国 側のオーストリアハンガリー帝国に属していました。しかし、移民や捕虜か らなる軍団は、民族的にはスラブ系という点で一致する連合国側ロシア軍の 実質的一員として、第一次大戦に加わります。しかし、ロシアの革命ソヴィ エト政権による対独墺単独講和は、軍団の存在を宙に浮かせますが、その際 に主力が駐屯していたのは、ロシアの一部であったキエフ(ソ連はこの段階 では未成立)だったといいます。  キエフから地球一周弱して、西欧での対独戦線に加わるべく、東に向かう ことになった軍団は、結果として、シベリア鉄道沿線でのソヴィエト政権側 との衝突に至ります。その経緯も複雑ですが、本書ではソヴィエト側・軍団 ・チェコスロヴァキア独立勢力のそれぞれに存在した思惑と動揺とを示すこ とによって解説しています。  ロシア革命干渉戦争の口実とされたという点で、軍団は名高いですが、干 渉戦争を日本側から扱ったフィクションとして、古くは高橋治の小説『派兵 』があります。さらには、これとよく似た視点を取りつつも、別の切り口で 描いた安彦良和の漫画『乾と巽』が現在連載されており、これらでは軍団が 重要な脇役として登場しています。これら作品の背景を理解するうえでもも ちろん、本稿執筆段階において、混迷を度を深めているウクライナ状勢につ いて考えるうえでも、示唆を与えてくれます。(さとう あきとし) ━━━━━━━━━━━━━━━ ★過去の気になる一冊はこちら★ ━━━━━━━━━━━━━━━ https://www.library.pref.nara.jp/reference/kininaru ┌◇┐━━━━━━━━━━ ◇5◇ ◆編 集 後 記 └◇┘━━━━━━━━━━  3月中旬といえば、卒業式の時期ですね。今から40年くらい前の小学校の 卒業式で、私は在校生として、先輩たち卒業生にむけた送辞を述べる機会が ありました。  「巣箱の中から小鳥の雛が飛び立つように皆さんは今、春の大空に向けて ・・・」と自分一人で先輩方に申し上げた送辞の台詞は今でも覚えています 。ちなみに、台詞は当時の小学校の先生が作成されました。  さて、台詞といえば、当館ではビジネスにおける挨拶例が、オンラインデ ータベース「JRS 経営情報提供サービス」の「テーマ別挨拶集」としてまと められており、利活用できるようになっています。卒業式の送辞、答辞の台 詞はございませんが、ビジネスにおける様々なシーンでのスピーチ例があり ますので、参考にしていただければと思います。  さて、県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良 県立図書情報館通信」第402号をご覧いただき、ありがとうございました。 次回第403号は4月1日(金)に配信する予定です。 ▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△ ◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。  https://www.mag2.com/ ◎「まぐまぐ」では、無料メールマガジンに登録された読者のみなさんに、 旬な情報や面白いメルマガをお伝えするオフィシャルメルマガ「まぐまぐニ ュース」を無料でお届けしています。配信が不要の場合は、こちらから解除 できます。  https://www.mag2.com/wmag/ ◎トラブル等の対処については、「読者 まぐまぐ!ヘルプ」のページをご 覧ください。  https://help.mag2.com/read/ ◎当マガジンの解除は、こちらへ。  https://www.library.pref.nara.jp/libinfonara ▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△ 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ https://www.pref.nara.jp/1324.htm 【 当館のSNSもご覧ください 】 〇インスタグラム https://www.instagram.com/nara_prefectural_library/ 〇フェイスブック https://m.facebook.com/library.pref.nara.jp 〇ツイッター https://twitter.com/library_nara ○note https://note.com/nara_preflibrary ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ ┏ 奈良県立図書情報館 ┏ 〒630-8135  ┏ 奈良県奈良市大安寺西1丁目1000番地 ┏ TEL 0742-34-2111 FAX 0742-34-2777 ┏ URL https://www.library.pref.nara.jp ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏