━━━━━━━━━━━━━━━━━   Lib Info NARA   −奈良県立図書情報館通信− ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2020.5.1  No.357 ■5月の休館日→1〜7日、11日、18日、25日、29日 (5月7日まで引き続き臨時休館いたします。開館の時期については、今後 の社会情勢や国の動向を踏まえて変更することがあります。) □休館日  月曜日(祝日・振替休日にあたるときは、その次の平日)  毎月月末(土・日・月曜にあたるときは、その前の平日) ━━━━━━━━━━━   M E N U   ━━━━━━━━━━━ ┏━┓ ┃1┃図書情報館からのお知らせ ┗━╋━━━━━━━━━━━━━━ ┏━┓ ┃2┃館長連載「図書情報の文化史」 ┗━╋━━━━━━━━━━━━━━ ┏━┓ ┃3┃図書館員の気になる一冊 ┗━╋━━━━━━━━━━━━━━ ┏━┓ ┃4┃編集後記 ┗━╋━━━━━━━━━━━━━━ ┌◇┐━━━━━━━━━━━━━ ◇1◇ 図書情報館からのお知らせ └◇┘━━━━━━━━━━━━━ ■図書情報館 臨時休館の延長について  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  当館では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、臨時休館している ところですが、令和2年5月7日(木)まで、臨時休館いたします。この間 は、引き続き下記の業務を行います。  また、現下の情勢をふまえ、5月中はイベントの実施を見合わせます。  ご利用の皆さまには、長期にわたりご不便をおかけしていますが、ご理解 とご協力をいただきますようお願いいたします。 ★★臨時休館中の業務内容★★ 9時から17時の間、通常の休館日を除き、下記の業務を行います。 ○障がいのある方への郵送による貸出 ○郵送による資料の複写(複写料金と郵送料は自己負担となります) ○メール・郵送・FAX・電話によるレファレンス 【上記に関するお問い合わせ:0742−34−5514】 なお、5月8日(金)以降の開館については、今後の社会情勢や国の動向な ども勘案し、変更することがあります。 ★以下のページもご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/news/3347 https://www.library.pref.nara.jp/news/3317 ■イベント等の中止について  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 5月中に開催を予定していた下記のイベント等は、中止とさせていただきま す。 □佐保川まちづくり塾パソコン教室 ○パソコン入門・ワード初歩: 5/13(水)・5/20(水)・5/27(水) ○パソコン活用講座:5/1(金)・5/8(金)・5/15(金)・5/22(金) □ITサポートデイ:5/6(水)・5/9(土)・5/20(水)・5/24(日) □声に出して読んで味わう読書会:5/26(火) □世界のブックデザイン2018-19: 5/1(金)〜 5/31(日) □第54回戦争体験文庫資料展示:5/1(金)〜 5/31(日) □図書修理マイスター養成入門講座2020: 5/12(火)・ 5/19(火)・5/26(火 )・6/2(火)・6/9(火) ★以下のページもご覧ください。 https://www.library.pref.nara.jp/news/3348 ■新着図書情報(月に1度更新!) ★詳細はこちら★ http://www.library.pref.nara.jp/search/newarrival/index.html ■有料施設の予約受付停止について 臨時休館延長にともない、当館有料施設(交流ホール・セミナールーム・デ ジタルスタジオ・オーサリングルーム)の予約を停止しております。再開時 には、あらためて、Webページ等で御案内させていただきますので、何卒よ ろしくお願いいたします。 ┌◇┐━━━━━━━━━━━━━━ ◇2◇ 館長連載 └◇┘「図書情報の文化史」素描編    ━━━━━━━━━━━━━━ 第357回 折口信夫『死者の書』(21)             館長 千田 稔  此時分になって、奈良の家では、誰となく、こんな事を考えはじめていた 。此はきっと、里方の女たちのよくする、春の野遊びに出られたのだ。何時 からとも知らぬ、習しである。春秋の、日と夜と平分(へいぶん)する其頂上 に当る日は、一日、日の影を逐うて歩く風が行われて居た。どこまでもどこ までも、野の果て、山の末、海の渚まで、日を送って行く女衆が多かった。 そうして、夜に入ってくたくたになって、家路を戻る。此為来(しきた)りを 何時となく、女たちの咄すのを聞いて、姫が、女の行として、この野遊びを する気になられたのだ、と思ったのである。  藤原南家の人々をあちこちに行かせて姫の行方を探させてみたが、結局は これと言う手がかりは見つからなかった。こういう時、人間と言うのは、途 方にくれて、成就できなかった時に、何か違うイメージをつくりだし、心に 安堵感をよびこむものだ。  イメージのチャンネルを変えてしまうのであろう。行方のわからない姫を 、野遊びに行ったということにして、安堵感と同時にあきらめの道に歩みだ す。ここでは、野遊びである。  野あそびで、一日、日を追っていく習わしは、私は知らないが、一般的に は、花を見たり、草を摘んだりして野外で春の一日を遊び過ごす行事である 。私の幼い頃の思い出がゆっくりとよみがえってきた。春の一日、畝傍山の 麓で食事をしながら過ごした記憶がぼやけた像を結んできた。まだ小学校に 上がっていない頃だと思うが伯母の嫁ぎ先の橿原市慈明寺に行って畝傍山の 麓で食事をしたようである。この行事を「むねやま」とよんだのではないか 。土地では、畝傍山のことをむねやまともいう。「国栖(くにす)らが、春菜 (はるな)摘むらむ、司馬(しま)の野の、しばしば君を、思ふこのころ」とい う万葉歌(10-1919)がある。(つづく) ┌◇┐━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇3◇ 図書館員の気になる一冊(347) └◇┘━━━━━━━━━━━━━━━━ 『誰が科学を殺すのか : 科学技術立国「崩壊」の衝撃』 毎日新聞「幻の科学技術立国」取材班著 毎日新聞出版 2019.10  日本の研究力を示す様々な指標が悪化の一途をたどっており、「ここ5年 ほどの日本の科学技術力の落ち方は尋常じゃない。将来を担う若手も育てて いない。これからもっと悪くなる」とノーベル賞の有力候補ともいわれる研 究者も言います。この急転落は、どうして起きてしまったのでしょうか。  その原因を探る本書は、まず凋落する日本の研究開発の現状に関して、意 思決定や社外からの技術導入の動きが遅い日本企業の特徴や、日本の出資者 も結果が出る10年後を見越せず待つこともできないことを指摘し、さらに企 業の研究開発が長期的な基礎研究を縮小し、より短期的応用的なものへと対 象を移していることを報告します。  続いて、ここ20年ほどの様々な改革により研究現場が蝕まれ、日本の科学 研究力が失われ続けている様を描きます。大学などの多くが施設・資金の両 面で研究どころか専門的な教育すらままならず、その逼迫した現状を「大学 に冷たい国で、研究現場があえいでいる」と表現しています。  さらに、日本の科学技術政策の歴史から、現在の病的なまでの改革志向の 源流を探ります。5年ごとに策定される科学技術基本計画では財政当局の激 しい抵抗で目標が達成されず、国立大学は運営費交付金の削減で体力を奪わ れ、研究や教育の現場に影響しています。本書が「さらに罪深い」と述べる のは、大学教員が役所の要望への対応や研究費の調達に忙殺されることで、 大学の自主性が失われつつあることです。  そして最後に、躍進著しい中国の研究現場や、金儲けだけではない新たな ビジネスモデルを模索するアメリカの社会企業家など海外の最新動向が紹介 され、日本との違いを見せつけられます。  科学技術立国が崩壊した原因は、直接的にはアメリカや中国などと比較し て国が投じる研究費が貧弱過ぎるからです。ではタイトルにある「誰が」の 言葉が指すのは、企業や行政の財政担当者でしょうか。しかしその人たちの 多くも、個人レベルでは科学にお金を使うべきだと考えているでしょう。予 算を配分する際に喫緊の課題に対処せざるを得ず、結果的に「木を見て森を 見ず」になるのであれば、そうならないためにはどうすればいいのか、それ を考えさせられる一冊です。(なかにし げん) ━━━━━━━━━━━━━━━ ★過去の気になる一冊はこちら★ ━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.library.pref.nara.jp/reference/kininaru ┌◇┐━━━━━━━━━━ ◇4◇ ◆編 集 後 記  └◇┘━━━━━━━━━━   これまで、都市と地域(地方)との交流を活発にし、都市部の人々が地域 に関わる関係人口を増やすことが、地域活性化につながると考えられていま した。しかし、新型コロナウイルス感染症により、その交流が地域の感染拡 大を促進するため、交流自粛となりました。  まだまだ終息にいたっていませんが、今後、この交流を含めた様々な自粛 によって、例えば地域経済や教育等、またはそれぞれの業界で、どのような 問題や課題が発生したのか記録した図書が発行されることが予想されます。 もちろん、新聞や雑誌は、図書に先だって現在の状況を刻々ととらえて、新 型コロナウイルス感染症に関する記事を掲載しています。    そして、それらの資料(図書、雑誌、新聞)・情報を収集、整理して提供 、保存していくことが、当館の今後の課題になるのではないかと思います。  さて、県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良 県立図書情報館通信」第357号をご覧いただき、ありがとうございました 。次回第358号は5月15日(金)に配信する予定です。 ▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△ ◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。  http://www.mag2.com/  ◎「まぐまぐ」では、無料メールマガジンに登録された読者のみなさんに、 旬な情報や面白いメルマガをお伝えするオフィシャルメルマガ「まぐまぐニ ュース」を無料でお届けしています。配信が不要の場合は、こちらから解除 できます。  http://www.mag2.com/wmag/ ◎トラブル等の対処については、「読者 まぐまぐ!ヘルプ」のページをご 覧ください。  http://help.mag2.com/read/ ◎当マガジンの解除は、こちらへ。  http://www.library.pref.nara.jp/libinfonara ▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△ 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-1324.htm ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ ┏┏┏奈良県立図書情報館 ┏┏ 〒630-8135  ┏  奈良県奈良市大安寺西1丁目1000番地 ┌  TEL 0742-34-2111 FAX 0742-34-2777 ┌  URL http://www.library.pref.nara.jp ┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌