≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 2010.5.15 No.118 *5月の休館日について ・毎週月曜日(17日、24日、31日)は休館いたします。 ・28日(金)は月末休館とさせていただきます。 ■==■目 次■==■ 《トピックス》5月後半のイベント 館長連載「図書情報の文化史」 図書情報館からのお知らせ 図書館員の気になる一冊 図書情報館−職員だより 編集後記 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 《トピックス》5月後半のイベント■   ◇5月16日(日) 13:30〜17:00(受付開始13:00)1階交流ホール 第2回「法務無料相談会&知識セミナー」 無料。申込み不要。直接会場にお越しください。 スケジュール 第1部 13:30〜15:00 知識セミナー 「相続で知っておきたいポイントと基礎知識」 第2部 15:00〜17:00 法務無料相談会  ◇5月22日(土)   13:00〜16:00(受付開始12:00)1階交流ホール    図書館劇場5『平城京をめぐる群像』第1幕「藤原不比等と元明天皇」 申込み受付中です。参加料1名500円。 ◇5月29日(土)13:30~15:00(開場12:30)1階交流ホール イザベラ・バード奈良展開催記念講演会 無料。申込み不要。直接会場にお越しください。 ★その他のイベント申込みページはこちら http://www.library.pref.nara.jp/event/event_moushikomi.html ■館長連載「図書情報の文化史」素描編■ 第118回『古今和歌集』(6)       ―仮名序についてA―                      館長 千田 稔  「難波津の歌は、帝(みかど)の御初(おほむはじ)め也」とある。天皇の 歌の最初は難波津を詠んだものであるという。その古注に、仁徳天皇が、難波 津で東宮(皇太子)の地位を互いに譲って、位につかないので王仁(わに)と いう人が、いぶかって、詠んで奉った歌で、この花は、梅の花と言うだろうと ある。どの歌を指しているのだろうか。実は、次回にふれる「難波津に咲くや この花・・・」という歌が後段にあげられているので、古注はそれをもって難 波津の歌としたのだろう。だが、本文は、難波津の歌が天皇の最初だというの だから、王仁の歌とすることは無理がある。  『日本書紀』の仁徳紀で天皇の歌として最初に掲げる三十一文字は、「貴人 (うまひと)の 立つる言立(ことだ)て 儲弦(うさゆづる) 絶え間継が むに 並べてもがも」であるから、これをもって難波津の近くで詠まれた仁徳 の歌とすべきとする説をとるのがよいであろう。この歌は、仁徳が皇后にむか って、八田(やた)皇女を妃にしたいと説得する場面が設定されている。「貴 人」は仁徳自身を指す。自分が言うところは、八田皇女は予備の弦のようなも ので、本物(皇后)がいないときに侍らすのでよいだろう、と言うのが歌意。 皇后にとっては、あまりにも侮辱的な表現である。たしかに、天皇の最初の歌 ではあるが、次にあげる歌とが「歌の父母」のようで、手習いの人の初めにす るものなのだと位置づけられるのはなぜなのだろうか。(つづく) ■図書情報館からのお知らせ■ ☆申込み受付中 □図書館劇場5『平城京をめぐる群像』第1幕「藤原不比等と元明天皇」を 5月22日(土)に1階交流ホールにて開催します。 参加申込み受付中です。参加料(資料代)1名500円 ※当日受付にてお支払い下さい。 詳細については  http://www.library.pref.nara.jp/event/librarytheater_2010.html をご覧下さい。 ○申込み方法 往復はがき、FAX(0742-34-2777)、メール(koen@library.pref.nara.jp) 当館のホームページ「申込みフォーム」、電話(0742-34-2111)、 来館(2F貸出・返却カウンターにて受付いたします)。 1.郵便番号、住所 2.お名前(ふりがな) 3.電話番号、FAX番号 「図書館劇場5第1幕参加希望」とご記入の上、お申込み下さい。 ※1通につき、2名までのお申込みです。(2名参加の場合は「2名参加」と 明記下さい。) FAXでのお申込みの場合は、必ずFAX番号もお書き下さい。 往復はがきでお申込みの場合は、返信にも送付先の郵便番号、住所、氏名を必 ず記入して下さい。   □「図書館劇場友の会」の会員を募集しています。 図書館劇場5に、お申込みなくご参加いただけます。 また、イベント情報や会員限定「館長文化サロン」をご案内いたします。 年会費3,000円です。 (一旦納入された会費はご返金いたしかねます。) 申込みは、2階貸出返却カウンターにて会費を添えて申込む(会員証は後日送 付)、あるいは FAX、メールにて申込みいただき、会費を下記にお振込いただ き、入金確認後に会員証を送付させていただきます。 なお、誠に恐縮ですが 、振込等にかかる手数料は、申込み者のご負担でお願いします。 (銀行振込) 南都銀行大宮支店 普通 0587502 古都物語実行委員会委員長 奈良県立図書情報館 館長 千田 稔 (郵便振替) 加入者名:古都物語実行委員会 口座番号:00940-2-280620 □「花鹿乃芸亭(はなしかのうんてい)」第1回  奈良市出身の落語家桂文鹿(ぶんろく)さん、桂三金(さんきん)さん、桂珍 念(ちんねん)さんを迎えて開催します。寺西美紀さんによる出囃子の生演奏 もお楽しみ下さい。  6月19日(土)13:30〜(受付・開場12:30) 1階交流ホールにて開催します。参加料1名1,000円   参加申込み受付中です。 ○申込み方法 往復はがき、FAX(0742-34-2777)、メール(koen@library.pref.nara.jp)、 当館のホームページ「申込みフォーム」、電話(0742-34-2111)、 来館(2F貸出・返却カウンターにて受付します)。 1.郵便番号、住所 2.お名前(ふりがな) 3.電話番号、FAX番号 「図書館寄席第1回申込み」とご記入の上、お申込み下さい。 ★ホームページ「申込みフォーム」はこちらから http://www.library.pref.nara.jp/event/event_moushikomi.html ☆イベント  □イザベラ・バード奈良展開催記念講演会を 5月29日(土)13:30~15:00(開場12:30)に 1階 交流ホールで開催します。   演題:『イザベラ・バードの旅と写真』    講師:京都大学大学院教授 金坂清則 氏   参加無料、申込み不要です。   講演後、「イザベラ・バードの旅の世界奈良展」展示会場にて、金坂教授 によ る展示解説を行います。 ☆企画展示 (2階メインエントランスホール) □書家鈴木悠斎さんによる花札展示「せんとあしゅら1300年展」を開催し ています。   16日(日)まで。    □「古都奈良から宇宙へ」を開催しています。      主催:(財)日本宇宙少年団(YAC)大和まほろば分団  30日(日)まで。  □ツイン・タイム・トラベル「イザベラ・バードの旅の世界写真展」     18日(火)から6月13日(日)まで。   ☆図書展示 (3階ブリッジ) □図書展示「お茶の文化史」を開催しています。 6月29日(火)まで。 (3階レファレンスカウンター横) □図書展示「上海1842〜2010 アヘン戦争から万博まで」   27日(木)まで。 (2階情報資料スペース) □図書展示「おたんじょうびの本 −大切な一日で特別な一日−」を開催して います。 30日(日)まで。 (3階ヤングアダルトコーナー) □図書展示「学校司書が読んだYA!」を開催しています。 ☆ビジネス・生活支援(セミナー・相談会等) □第2回「法務無料相談会&知識セミナー」を 5月16日(日)13:30〜17:00(受付開始13:00)に 1階交流ホールで開催します。 行政書士市民法務研究会によるセミナー・法務相談を行います。 第1部 13:30〜15:00 知識セミナー 「相続で知っておきたいポイントと基礎知識」 講師  行政書士 三好重孝氏 第2部 15:00〜17:00 法務無料相談会 事前申込み不要、無料です。相談会は整理券を発行し、整理番号順に相談して いただきます。 (問合わせ先) 行政書士 加来宗雄 氏 TEL 0742−33−6422 3階社会科学コーナー36番書架に「暮らしに役立つ法律情報コーナー」を設 けましたので、参考にしてください。 ☆3階戦争体験文庫 □企画展「海軍志願兵」を開催しています。     6月29日(火)まで。 詳しくは、     http://www.library.pref.nara.jp/sentai/kikaku.html     をご覧下さい。 ☆図書情報館ITサポーターズによる「ITサポートデイ」、 開催日時等詳しくは、    http://www.library.pref.nara.jp/supporter/index.html    をご覧下さい。   ☆新着図書情報    月に1度更新します。下記ページをご覧下さい。    http://www.library.pref.nara.jp/search/newarrival/index.html ☆館の有料施設の予約を受付けています。詳細は、県立図書情報館ホームペー ジの有料施設利用案内のページをご覧下さい。   http://www.library.pref.nara.jp/guide/use_guide01.html ■図書館員の気になる一冊(13)■ 『永遠まで』 高橋睦郎著 思潮社 2009.7発行 (当館請求記号 911.56-タカハ) 『死者という在りし日の生者のために、そして生者という名の来る日の死者の ために』という二行にひかれて読み出した詩集であるが、世界的なモデル、山 口さよ子へ書かれたと思われる『小夜曲 サヨコのために』を、私は夢中で読 んだ。あの無表情の有名なモデルが、『たんねんに粧って、軽やかに着て』何 を想い、ステージを歩いたのか。 詩人のことばが、死者という在りし日の生 者に語りかける。ことばのもつ力が死者という見えない相手に届いていく。 詩 人は自身のことを、『死を喰う不吉な者』として、祝福されなかったその出生 詩を冒頭に書く。 母、祖母、関わりのあった人たち、そして中国の旅を詠み 、中国では4月にまた地震があったが、四川地震の理不尽な「死」を受けた犠 牲者のために思いつづける。『着ては脱ぎ 脱いでは着ながら気付いた 着ては 脱ぐ私も一種の服で 本当は着られているのだと 私にも本当は 顔も体もない のだと』 モデルが服を着るように、詩人はことばを着ては脱ぐのであろうか 。 「ことばの力」ということがよく言われるが、この詩集を読みながら服を 脱いだ裸の詩人の震えが、顔も体もない詩人のことばが、どんな力を届けるの だろうと思う。冒頭の出生詩は読む者にある種の怖さを感じさせるが、詩集を 最後まで読み終えると「生」は確実に「死」の続きで、そして「死」は決して 終わりではなく「生」を越えて永遠であり再生していくという事に気付かされ る。みずみずしい新緑の季節がまぶしい。                             (きくい なお こ) 過去の気になる一冊はこちらからご覧下さい。 http://www.library.pref.nara.jp/reference/kininaru.html 図書情報館−職員だより(99)■ 図書館に勤めている職員は、本を読むのが好きであると見られがちですが、私 は読書が苦手です。学生時代の図書館は居眠りをする場所であり、当館に勤め 始めてからも業務に関連する以外、本を読むことはありません。 では、なぜ図書情報館に勤めているのかと思われる方もいるかもしれませんが 、それは古文書を読むのが好きだからです。当館は公文書館機能を併せ持つ図 書館であるため、公文書、古文書、絵図、古典籍、プランゲ文庫など奈良県ゆ かりの歴史史料を多く所蔵しています。貴重書庫には、奈良県内の江戸時代の 村方文書を中心に、約23,000点の古文書が保管されています。また、3階のふ るさとコーナーには、談山神社文書や国立公文書館が所蔵する大乗院文書など 、他機関が所蔵する奈良県関係の史料の紙焼きが揃っています。 当館は、平成18年度から古文書講座を開講しています。受講生の皆様は熱心に 学習されており、教室内は活気に満ち溢れています。本年度も5月21日まで「 古文書入門講座−江戸時代の出版物を読む−」の募集を行っています。講師の 先生は、古文書を基礎から分かり易く教えて下さいますので、難しく考えず気 軽にご参加下さい。 イギリスの歴史学者であるE.H.カ−は「歴史とは現在と過去との間の尽きる ことを知らぬ対話である」と語っています。当館が所蔵する古文書を読むこと によって、過去に奈良でくらした人々と直接対話し、現在の奈良県が古代から 連綿と続く歴史を持っていることを実感して下さい。  (きたほり みつのぶ) ■編集後記■ 今年のゴールデンウィークは、お天気にも恵まれ、旅行に行かれた方も多かっ たのではないでしょうか。図書情報館では18日より、史上屈指の女性旅行家 イザベラ・バードの旅の世界の写真展を開催します。イザベラ・バードは約半 世紀に渡り、全大陸を旅し、多数の旅行記を執筆したことで有名です。今回の 写真展は、地理学者である京都大学大学院教授の金坂清則氏が、20年かけて バードの旅の世界をたどり、撮影した写真と、バードの旅行記とを対比する写 真展となっています。バードが旅した世界と、その1世紀後にバードの旅を読 み解くために金坂氏が旅した世界、時空を超えて重なる二つの旅を「持続と変 化」の視点から、お楽しみください。 さて、県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良県 立図書情報館通信」第118号をご覧いただき、ありがとうございました。 次回第119号は、6月1日(土)に配信する予定です。 =================================== ◎このメールマガジンへのご感想、ご意見などは、下記メールアドレスまでお 願いします。 *原則として、返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。 ◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。  http://www.mag2.com/ 「新着情報版」「ウィークリーまぐまぐ」の配信  が不要な場合は、こちらで解除できます。 http://www.mag2.com/wmag/ トラブル等の対処については、「読者 まぐまぐ! ヘルプ」のページをご覧  下さい。 http://help.mag2.com/read/ 当マガジンの解除は、こちらへ。 http://www.library.pref.nara.jp/netservice/mailmagazine.html =================================== 【 県庁各課等のメールマガジン 】 ◇ 読者登録をお願いします!◇ http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-1324.htm ■□===========================■□ 発行:奈良県立図書情報館 〒630-8135 奈良市大安寺西1丁目1000番地 TEL 0742-34-2111(代表) FAX 0742-34-2777 http://www.library.pref.nara.jp e-mail info@library.pref.nara.jp ■□===========================■□