≫奈良県立図書情報館メールマガジン≪ 「Lib Info NARA −奈良県立図書情報館通信」 2010.4.1 No.115 *4月の休館日について  毎週月曜日。ただし、5日(月)は開館です。桜を見物される方も是非ご利 用下さい。 30日(金)は月末休館日です。 ■==■目 次■==■ 《トピックス》4月前半のイベント 館長連載「図書情報の文化史」 図書情報館からのお知らせ 図書館員の気になる一冊 図書情報館−職員だより 編集後記 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 《トピックス》4月前半のイベント■ ◇4月4日(日) 13:30〜(開場13:30)   1階 交流ホール 「法務無料相談会&知識セミナー」第1回 13:30〜14:30 知識セミナー「成年後見制度」 14:30〜17:00 法務無料相談会 当日参加です。直接会場にお越し下さい。 ★その他のイベント申込みページはこちら http://www.library.pref.nara.jp/event/event_moushikomi.html ■館長連載「図書情報の文化史」素描編■ 第115回 『古今和歌集』(3)       ―もろこしの吉野ー                          館長 千田 稔  吉野を詠んだ次の歌は、解釈が微妙に異なる。                        左大臣 もろこしの吉野の山にこもるとも を(お)くれむと思ふ我ならなくに(1049 ) なぜ、吉野に「もろこし」という枕詞がかかるのが、少し考えさせる。『新日 本古典文学大系』において、歌意を、「たとい中国の吉野山にあなたが籠もっ て住むとしても、あなたに取り残されると思うそんなわたしではないことだ」 とする。そして、「吉野山は中国にあるわけでもないのにこう言ったのが俳諧 である(両度聞書)」と付け加えている。『両度聞書』とは、文明3年(14 71)年に宗祇が東常緑(とうのつねのり)から古今和歌集の東家の説を聞き 、それに東常緑が証明を加えた古今和歌集の注釈書で、『古今和歌集両度聞書 』が正式の書名である。だから、ここにいうのは一説にすぎないので、それに こだわることはない。ただ、この解釈は、吉野山を遠い異国の中国にもってい って、そんな離れた所に恋しい人がいっても、わたしは取り残された気持ちに はならないという点に、滑稽さがあり、それゆえに「俳諧」なのである。  もう一つの解釈は、奥村恒哉氏の『歌枕』(平凡社、1977)に次のようにあ る。「もろこしは異郷であり、吉野には異国的な特別な地域というイメージが あって、神仙郷とでもいうべき位置を占めていたことを、枕詞が端的に物語っ ている」。  どちらの解釈をとるか、いずれにも惹かれる。たしかに「もろこし」は異国 ではあるが、直接に「異国」という意味を示すわけではなく、さらに神仙郷と いう意味まで引き出すことはなかろう。前者の説をとるべきだと、私は思う。 (つづく) ■図書情報館からのお知らせ■ ☆申込み受付中 □図書館劇場5『平城京をめぐる群像』第1幕「藤原不比等と元明天皇」を5 月22日(土)に1階交流ホールにて開催します。 参加申込み受付中です。参加料(資料代)1名500円 ※当日受付にてお支払い下さい。 詳細については  http://www.library.pref.nara.jp/event/librarytheater_2010.html をご覧下さい。 ○申込み方法 往復はがき、FAX(0742-34-2777)、メール(koen@library.pref.nara.jp) 当館のホームページ「申込みフォーム」、電話(0742-34-2111)、 来館(2F貸出・返却カウンターにて受付いたします)。 1.郵便番号、住所 2.お名前(ふりがな) 3.電話番号、FAX番号 「図書館劇場5第1幕参加希望」とご記入の上、お申込み下さい。 ※1通につき、2名までのお申込みです。(2名参加の場合は「2名参加」と 明記下さい。) FAXでのお申込みの場合は、必ずFAX番号もお書き下さい。 往復はがきでお申込みの場合は、返信にも送付先の郵便番号、住所、氏名を必 ず記入して下さい。  □「図書館劇場友の会」の会員を募集しています。 図書館劇場5に、申込みなくご参加いただけます。 また、イベント情報や会員限定「館長文化サロン」をご案内いたします。年会 費3,000円です。 (一旦納入された会費はご返金いたしかねます。) 申込みは、2階貸出返却カウンターにて会費を添えて申込む(会員証は後日送 付)、あるいは FAX、メールにて申込みいただき、会費を下記にお振込いただ き、入金確認後に会員証を送付させていただきます。 なお、誠に恐縮ですが 、振込等にかかる手数料は、申込み者のご負担でお願いします。 (銀行振込) 南都銀行大宮支店 普通 0587502 古都物語実行委員会委員長 奈良県立図書情報館 館長 千田 稔 (郵便振替) 加入者名:古都物語実行委員会 口座番号:00940-2-280620 □「花鹿乃芸亭(はなしかのうんてい)」第1回  奈良市出身の落語家桂文鹿(ぶんろく)さん他を迎えて開催します。寺西美紀 さんによる出囃子の生演奏もお楽しみ下さい。お楽しみ抽選会も行われます。  6月19日(土)13:30〜(受付・開場12:30) 1階交流ホールにて開催します。参加料1名1,000円   参加申込み受付中です。 ○申込み方法 往復はがき、FAX(0742-34-2777)、メール(koen@library.pref.nara.jp)、 当館のホームページ「申込みフォーム」、電話(0742-34-2111)、 来館(2F貸出・返却カウンターにて受付します)。 1.郵便番号、住所 2.お名前(ふりがな) 3.電話番号、FAX番号 「図書館寄席第1回申込み」とご記入の上、お申込み下さい。 ★ホームページ「申込みフォーム」はこちらから http://www.library.pref.nara.jp/event/event_moushikomi.html ☆企画展示 (2階メインエントランスホール) □うつす想い「鎮目直樹・バードカービングの世界」を開催していています。   29日(木)まで。    □「奈良と中国・韓国とのゆかり展」を開催します。   6日(火)から11日(日)まで。        □「古都奈良から宇宙へ〜未来・夢・希望〜パネル展」を開催してい ます。       主催:(財)日本宇宙少年団(YAC)大和まほろば分団   ☆図書展示 (3階ブリッジ) □図書展示「平城京の世界」を開催しています。 29日(木)まで。 (3階レファレンスカウンター横) □図書展示「漢字のなりたち〜白川静生誕100年〜」を開催しています。   29日(木)まで。 (2階情報資料スペース) □図書展示「大和の桜紀行-奈良から吉野へ」を開催しています。 22日(木)まで。 (3階ヤングアダルトコーナー) □図書展示「学校司書が読んだYA!」を開催しています。 ★新設コーナー (3階社会科学コーナー36番書架) 「暮らしに役立つ法律情報コーナー」を設けました。 ☆生活支援(セミナー、相談会) □第1回『法務無料相談会&知識セミナー』を4月4日(日) 13:30〜17:00(受付開始13:00)に 1階交流ホールで開催します。 第1部 13:30〜14:30 知識セミナー「成年後見制度」(質疑応答含む)      講師 行政書士 木元靖浩氏 第2部 14:30〜17:00 法務無料相談会             当日参加、無料です。相談会は整理券を発行し、整理番号順に相談していただ きます。 問合せ先 行政書士 加来宗雄 TEL 0742−33−6422    共催 行政書士市民法務研究会 ―――――――――――――――――――――――――― ●図書情報館イベントの詳細は、ココ!!● 「奈良県立図書情報館イベント情報ブログ」 http://eventinformation.blog116.fc2.com/ をご覧下さい。 ―――――――――――――――――――――――――― ☆3階戦争体験文庫 □企画展「海軍志願兵」を開催しています。     6月29日(火)まで。 詳しくは、     http://www.library.pref.nara.jp/sentai/kikaku.html     をご覧下さい。 ☆図書情報館ITサポーターズによる「ITサポートデイ」、 開催日時等詳しくは、    http://www.library.pref.nara.jp/supporter/index.html    をご覧下さい。   ☆新着図書情報    月に1度更新します。下記ページをご覧下さい。    http://www.library.pref.nara.jp/search/newarrival/index.html ☆館の有料施設の予約を受付けています。詳細は、県立図書情報館ホームペー ジの有料施設利用案内のページをご覧下さい。   http://www.library.pref.nara.jp/guide/use_guide01.html ■図書館員の気になる一冊(10)■ 『藩政アーカイブズの研究』 国文学研究資料館編 岩田書院 2008 平成21年3月に当館所蔵の明治・大正期の奈良県行政文書6,695冊が奈良県指定 文化財に指定され、平成21年6月に「公文書等の管理に関する法律」が成立す るなど、公文書の管理が注目されています。今回ご紹介する本は、江戸時代の 藩と村の文書管理の歴史を論じたものです。 日本各地には江戸時代の文書が多く残っていますが、これは偶然に残ったもの ではなく、江戸時代から意識的に管理され、虫干しなど保存処置を施し、代々 引き継がれた結果です。江戸幕府と藩は村を武力のみで治めておらず、村から の訴えを受け入れる柔軟性の支配であったために250年以上続いたと言われて います。そのため公平な政治を行う必要があり、前例を参照するために文書の 共有化を図ることを不可欠としていました。 各藩は文書を管理する役所を設け、城内の櫓などに文書を保管し、文書目録を 作成していました。文書量が多くなると、帳面に文書を挟みこむなど文書管理 の効率化が工夫されました。村でも藩に訴えるための訴状を作成し、証拠とな る文書を管理する能力が求められました。本書は、藩の文書管理に関する最新 の研究成果と村の文書管理の研究史を紹介した一冊ですので、是非ご覧下さい 。 (きたほり みつのぶ) 過去の気になる一冊はこちらからご覧下さい。 http://www.library.pref.nara.jp/reference/kininaru.html 図書情報館−職員だより(96)■ 2つの時間  4月。また新たなはじまりです。新入生、新入社員、新たな職場。しかし、 この時期になると、いつも思うのですが、われわれは、ほんの数ヶ月前、年越 しを祝い、一年のはじまりを迎えたではないかと。ということは、われわれは 、一年の内、二回はじまりを迎えるということになります。暦が私生活のサイ クルだとすれば、もうひとつはいってみれば、公のサイクルといえるかもしれ ません。二つの時間が、あるときは併走し、あるときは交わりながら、時間が 経っていくわけです。私的時間は円環的ですが、公的時間は直線的に進みます 。われわれは、まっすぐに進みながらもときに行きつ戻りつの時間を生きてい ます。少し考えてみると、そこには、宗教的な時間の観念が顔を出します。西 暦は、いうまでもなく1年ずつどんどん時が刻まれます。一直線に進むキリス ト教的な時間とでもいえばよいでしょうか。それに対して円環的な日本的時間 。仏教や神道、農耕のなかで培われた時間の観念とでもいうものです。われわ れは、そんな少し複雑な時間の中で生きているわけです。時間は誰にも等しく ありますが、どう意識するかによってその色合いはかなり違ったものになりそ うです。大袈裟に言えば、生き方にも大きな違いがありそうです。  桜の開花に心浮き立ち、年度末、年度初めの気ぜわしさの中にも、ふとわれ われの基層にある時間が顔を出します。しかし、そんなことを考えていると、 年度末の整理も年度初めの準備も遅々として進まないですね。 佐保川の桜も見頃を迎えています。桜並木散策の折、図書情報館にもお立ち寄 りください。4月5日(月)は臨時開館しています。                                                 (いぬい そういちろう) 編集後記■ 図書情報館の100周年を記念して、オリジナルグッズが作成されました。か わいらしい当館のキャラクターがデザインされているトートバッグ(500円 )とキャンバスノート(400円)です。トートバッグは、本の持ち運びを便 利にしたいただくためのものですが、お買い物にも便利!自転車の前かごに入 り、マチが広くA4サイズの書類もらくらく入ります。また、キャンパスノー トは、使用後は文庫本のカバーになるというスグレモノです。インフォメーシ ョンカウンターに見本が置いてあります。この機会にお買い求め下さい。 なお館内でも、本の持ち運びにお使いいただけるよう手さげかごを設置してお ります。3階カウンターにありますので、ご利用下さい。  さて、県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA−奈良県 立図書情報館通信」第115号をご覧いただき、ありがとうございました。 次回第116号は、4月15日(木)に配信する予定です。 =================================== ◎このメールマガジンへのご感想、ご意見などは、下記メールアドレスまでお 願いします。 *原則として、返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。 ◎このメールマガジンは、「まぐまぐ」を利用して発行しています。  http://www.mag2.com/ 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